しかし、この漢字には別の読み方もあるんです。それが「かむろ」というもの。
そこで、今回は、そんな「かむろ」という言葉についてご紹介したいと思います!
■「禿(かむろ)」とは?
「禿(かむろ)」とは、頭に髪がないことを言い、おかっぱ頭・肩まで切りそろえた子どもの髪型(またはその髪型の子ども)を指します。これが文献に登場するのは、古くは平安時代の『栄花物語』です。
また、平安末期ごろの成立とされる『今昔物語』にも記述がありますが、こちらはハゲの意味で使われていたようです。
また、鎌倉時代から室町時代には、男性もこの「かむろ」のような髪型をしている人がいました。これは、主に賤業をなりわいとしていた人々で、一人前として扱われず、子ども扱いされたことから、「かむろ」の名で呼ばれたという説があります。
また、江戸時代も身分が低く髷を結うことを許されなかった男性たちは、かむろ髪であり、外出するときは何か被っていたそうです。
鎌倉時代から室町時代と同じ理由(一人前として見られず、幼童として見られる)で「かむろ」と呼ばれました。
■「かむろ」と遊郭
狭義となりますが、「かむろ」には、江戸時代に遊郭に住んでいた童女を指す意味もあります。
遊郭に住む、と聞くとどうして?と思われるかもしれませんが、彼女たちは、7~8歳ごろに売られてきた子だったり、遊女の生んだ娘であった場合が該当します。
そして、太夫や花魁といった地位の高い人々の身のまわりの世話をしながら、遊女としてのしきたりや立ち居振る舞いを学んでいきました。
江戸時代の吉原で最高級の遊女「花魁」になれる禿(かむろ)の条件とは?
彼女たちは、成長すると「新造(しんぞう)」という立場になり、さらに実践的な内容を学んでいきました。
また、「名代(みょうだい)」として、遊女たちの具合が悪いときの代わりとなってお客の相手をすることもありました。
江戸時代の吉原遊廓の幼い少女たち「禿(かむろ)」が一人前に女郎デビューするまで
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも歴史に興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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