「おかみの言うことは絶対だからなあ」「あの旅館の女将は有名だ」など、日常生活でも「おかみ」という言葉を使うことがありますよね。

では、どうして公権力や旅館などを切り盛りする女性のことを「おかみ」というのでしょうか?

語源はなんと”口噛み酒”!?なぜ公権力や旅館を切り盛りする女...の画像はこちら >>


そこで、今回の記事では、そんな「おかみ」という何気ない言葉について迫ってみたいと思います。
身近な言葉の、意外な由来や歴史が見えてくるかもしれません。

■公権力を表す「おかみ」とは?

そもそも、お上・御上(おかみ)とは、ある人にとっての主君や貴族に対して使う尊称でした。日本では長いあいだ使われてきた尊称とされています。

たとえば武家社会においては、庶民や農民にとってのおかみは領主、武士たちにとってのおかみは主君・将軍だったことが考えられます。また、公家たちにとっては天皇などがそれにあたるかもしれません。

現在のように、政府や関連機関、警察などをおかみと呼ぶようになったのは戦後。そしてそれも現代では、「尊敬の意」というよりは「揶揄」のニュアンスを含んでいますよね。



■店などを切り盛りする女性はなぜ「女将」という?

日本料理店、旅館、料亭、飲み屋などを切り盛りする女性のことを「女将」や「おかみさん」と呼ぶことがありますよね。その理由については諸説あるものの、古いものだと、そのルーツはなんと弥生時代に遡ると言われています。

弥生時代、お酒づくりは女性の仕事とされていました。そして、それは「噛み酒」と呼ばれる方法で、炊いたお米を口で噛んで作っていました。

このことから、女性が噛むもの→女噛む→おかみ、と転じていったと言われています。


美味しいお酒を作る女性に尊敬を表して、「おかみ」と呼ぶようになったともいわれています。

一方で、もともと「じょしょう」と読んだ「女将」が、料理屋や茶屋の女主人を表す「おかみ」と結びついて飲食店や旅館を切り盛りする女性を表す言葉になったという説もあります。

いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

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