このあいだの記事では、江戸時代の人たちの色事について紹介(参考:江戸時代の人たちは色事にとってもおおらか♪のぞき見されてもなんのその!)しましたが、今回はその色事の中からピンポイント「浮気」について紹介します。

■亭主の浮気相手はどんな人?

一生添い遂げると約束して一緒になったものの、魔がさして浮気してしまうことは、江戸時代でもそう珍しくなかったようです。


さて、相手は誰なのかという問題ですが、これがまたスゴいんです。例えば、姪も浮気相手でした。当時、女房が妊娠中の人手が必要なときに姪が手伝いに来るという風習があり、事件はそのときに起きたそう。また、奉公人も旦那さんの相手になりました。

江戸時代、生活に余裕のある家庭では、生母に代わって子どもに乳を飲ませ、乳幼児の世話をしてくれる乳母を雇っていました。隙あらば、乳母に手を出しちゃう人もいたようで。また義妹や奉公人、若衆(男色の相手をする若者)が浮気相手になることも。春画でも、自宅に若衆を呼んで夫婦そろって若衆と戯れるという画も多く見られます。当時は、男色も女色も愛好するバイ・セクシュアルが多いのが特徴でした。

春画に学ぶお江戸の性事情。亭主も女房も浮気してた?どこまでも...の画像はこちら >>


宮川長春「三侍」

■女房だって浮気する

さて、浮気するのは、亭主だけではありません。女房が浮気することもありました。夫のある女性が密通している相手を間男(まおとこ)というのですが、間男と会うときは、専ら家の中でした。
亭主が留守のときに、間男を家に呼んであんなことやこんなことをしちゃおうというのですから実に大胆です。間男のほうは、亭主が早く帰ってこないか気が気でなくても、女はちっとも気にしておらず、事に夢中になっていることも。

職人や商人の家では住みこみの奉公人がいる家庭も多く、奉公人に手を出す女主人もいたとか。また、当時は店売だけでなく家を訪問して商売することも多かったので、細々とした女性の装飾品を売る小間物屋や指圧をしてくれる按摩などが相手になることもありました。これも、やっぱり家の中が現場になるのですね。

家に出入りする御用聞きや奉公人、はては義妹や姪などとも浮気をしていたわけですが、実にあっけらかんとしており、悪びれた様子もないのです。当時は身分も年齢も関係なく、性を楽しんでいたとされています。時には、現場を亭主や女房を見られてしまい修羅場に…ということもあったようで、そりゃたいそうにぎやかな喧嘩になったことでしょう。現代よりも性が日常的で開放的だった江戸時代が羨ましいという人もいるかもしれませんね。

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