

当時は、他の絵師や学者らが描いたものを模写した博物図譜が多く出回っていましたが、毛利梅園は実写で描くことにこだわりがあったようで、彼の作品の大半は実写作品なんだそう。
写生でいえば坂本浩然の「桜花譜」もおすすめです。
桜満開の季節にぴったり!29種もの桜を写生した江戸時代の絵師 坂本浩然による「桜花譜」
絵師ではないにもかかわらずその繊細で正確な筆使いは素晴らしく、写実性に長けた彼の作品は博物図譜という枠には収まらず芸術の領域にまで到達しているように思えます。


そんな毛利梅園の名が知られるようになったのはリアルタイムではなく、実は明治時代以降。彼の生前に著書が刊行されることはありませんでした。「梅園画譜」が江戸時代の世にもっと広まっていたら、当時の博物学の発展も早まっていたのかな?なんて思ってもみたり。
現在、梅園画譜は国立国会図書館に所蔵されており、誰でも閲覧できるようになっています。今回は梅園画譜の中からいくつか紹介します。
毛利梅園「梅園画譜」を見る毛利梅園(もうりばいえん)
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