■お墓参りに欠かせない卒塔婆(そとば)…そもそも、どういう意味?
お墓へ行くといつも目にするのが木で出来た卒塔婆(そとば)です。これは日本の仏教(浄土真宗など一部を除く)で、死者の供養に使われます。名の由来は仏塔を意味するサンスクリット語のストゥーパに由来し、それが日本に伝わった時に変化したものと言われています。
あの独特なデザインにも意味があり、記されている字は上から順に“「キャ」「カ」「ラ」「バ」「ア」”と読み、現世を構成する5大要素“地水火風空”に因んだものです。形もやはり上から宝珠型、半円、三角形、円、四角形で構成される五輪塔を模しているとされ、それぞれに意味が存在しています。
■法会のお金はお布施…なのにどうして“布を施す”ことになるの?

お盆では、家や墓前などで法会をして、菩提寺にお布施を納めるのも恒例(?)です。しかし、
「お金をお納めしているのに、どうして布を施すと表記するんだろう?」
と、疑問に思ってしまった方も多いのではないでしょうか。実は、これは大昔のインドで仏教が成立した時にゆかりがあるのです。
お釈迦様(ブッダ)が仏教を始めた時、僧は信徒に布を施されたものを着用していました。南アジアの修行者が着ている衣装に近いものです。それが袈裟の始まりなのですが、この布をお坊さんに差し上げる行為を布施と言いました。
「じゃあ、袈裟を作る布をお納めするのが正しいのかな?」と思われるかも知れませんが、その心配はありません。
つまり、法会をして頂いた(人によってはお墓の管理も)感謝の気持ちを込めてお布施のお金を包むのも正しく、財施と心のお布施として成立するわけですね。もっとも、近年は怪し気な人々がお布施としてお金を巻き上げることもあるので、ご注意をば…。
如何でしょうか。お盆シーズンともなると何気なく口にする“卒塔婆”や“お布施”は、もとは仏教で使われていた用語です。これを知っておくと、すぐには役に立たなくても、お盆で皆が集う時、話の種にはなるかもしれませんよ。
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