出版不況が深刻さを増している。出版市場を調査・研究する出版科学研究所は、2017年の書籍・雑誌販売額が前年比7%減の約1兆3700億円になりそうとの予測を、12月25日に発表した。

落ち込み幅は15年の5.3%を上回り、過去最大となった。

1~11月の販売実績から、17年通年の市場規模を推定。確定すれば、出版市場は13年連続の縮小となる。

出版市場、1996年のピークから半減

出版市場はピークの1996年から約52%減少するなど、深刻さを増している。2017年の出版市場の落ち込みは、これまで販売を支えてきた雑誌の減少に加えて、漫画も初の2ケタ減と失速したのが要因。

市場の内訳は、書籍が前年と比べて約3%減の約7150億円、雑誌(漫画単行本を含む)が10%減の約6600億円となる見通し。

書籍は11年、雑誌は20年連続で前年を下回る。雑誌は2016年の売上高が、41年ぶりに書籍を下回ったが、17年はさらにその差が拡大するとみている。

なお、17年1~11月期の販売金額(推計)は書籍・雑誌の合計で前年同期比6.5%の減少だった。書籍は話題書が多く、ベストセラーも多数登場したが、前年よりも部数水準は低下した。雑誌は漫画単行本の大幅減が響いた。

こうした調査結果に、インターネットの掲示板などには、

「まあ紙媒体不況なんやろな。
電子化できないとオワコン」
「ネットでただ見してんだろ。ただで見れるものに金は払わないよな」
「電子書籍含んだら減ってないんでしょ。紙媒体が縮小するのはしかたない」

といった、あきらめの声にまじり、

「紙の本が好きなアナログ人間です。紙の本の装丁やら帯やらカバーと外した本体の表紙のデザイン違いのサービスとか見つけたり、古本屋で初版発見した時の気持ちの高ぶりも楽しいし文庫でもイヤなくらいなんだけど」
「いまだに紙媒体で物理的に所有することに喜びを感じる俺は古い人間なんだろうなあ。電子書籍は味気ない」

と、市場縮小のなかでも根強い「紙の本」ファンが少なからずいるようだ。