みなさん、こんにちは。馬医金満です。

今回は、Uターンなどに代表される「地方回帰」の現状を見てみました。東京都は2021年、26年ぶりに流入してくる男性よりも、流出する男性の人数が多いという結果になりました。

女性はなお流入が勝っていますが、こうした結果は地方創生という意味合いで、少しずつ成果が出始めているといえるかもしれません。

男性は5433人の流出超、女性は6777人の流入超

東京都の人口(推計)は2022年1月1日時点で1398万8129人。人口の動きをみると、2021年の1年間で転入者数が42万167人、転出者数が41万4734人となり、転入が転出を5433人上回る「転入超過」となりました(総務省の住民基本台帳に基づく。外国人を含む)。

「転入超過」の人数は前年より2万5692人減り、現在の方法で統計を取り始めた2014年以降、最も少なくなりました。

さらに東京23区でみると、区外や他県への転出者数が転入者数を1万4828人上回り、初めて「転出超過」となりました。

コロナ禍が長引くなか、地方移住に関心を持つ人は確実に増えているようです。

こうした人口の動きを男女別にみると、男性の流出は5433人の流出超過。女性の流出は6777人の流入超過でした。

男性が地方へと流入した理由は、コロナ禍でテレワークによる就労が広がり、東京のオフィスに出社する必要が薄れたこと。

つまり、これまで一極集中で発展してきた東京都の求心力が低下したことが大きな原因だと考えています。

ただ、一方で女性をみると、働き先が東京に集中している、また希望する仕事が地方になかったり男性に限定されていたりという理由で、地方都市から東京都に集中しているという図式になっています。

先進国でも「異常」な日本 都市住民比率は92%

さらに、地方の一部に残る古い性別役割意識も影響していると考えられます。

国土交通省の2020年の男女共同参画に関する世論調査によると、上京した女性の15%は出身地の人たちが「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に賛同すると回答しています。地方での女性の就労意識が現代にそぐわず、低調なことがわかります。

ちなみに、東京都から転出した人が、どの自治体に移り住んだのかをみると、最も多かったのは神奈川県の9万6446人。

次いで埼玉県が7万8433人、千葉県が5万8485人、大阪府が1万8801人、愛知県が1万3254人となっています。

東京都周辺や便利な大都市に移り住んでいるようで、テレワークが「場所を問わない」といっても、住まいとなるとやはり働きやすさや職場との距離が気になっているようにも思います。

日本の人口に占める都市住民の比率は世界各国と比べても非常に高いです。1950年は53%だったのが、2020年には92%に上昇しています。この数値は米国の83%、ドイツの78%などを上回り、主要先進国で唯一の90%台となっています。

このような事態が長期化すると、地方の経済がなくなってしまうのではないかと、その危険性を考えています。

そうならないためにも、就労環境の整備と地方で働きたいと思う企業へのバックアップが重要だと考えています。

では、また!

(馬医金満)