食品の冷凍・冷蔵保存や、電子レンジ・湯せんでの食材の温めが簡単に行える、マチ付きポリ袋「アイラップ」。その誤った使用法が広まっているとして、「アイラップ」公式ツイッターが注意喚起している。

食材を包んだ「アイラップ」を湯煎、あるいは電子レンジで温める際に、耐熱皿を使わずそのまま鍋やレンジに入れる人がいるという。このようなキッチン用品の誤用は、思わぬリスクをもたらす。

「熱に耐えられず穴が開いてしまう可能性」

J-CASTトレンドは、販売メーカーの岩谷マテリアル(東京都中央区)に電話取材した。「アイラップ」公式ツイッターの担当者は、最近はポリ袋を調理に使う人が増えていると説明する。調理器具を洗わずに済み、水の節約になるとの理由だ。「アイラップ」の利用者自体も増えており、それに従って誤用も増加しているという。

担当者は、次のようなリスクを挙げた。

「火にかけられている鍋底は非常に高温で、直接『アイラップ』を接触させると熱に耐えられず穴が開いてしまう可能性があります。すると袋から食材がこぼれてしまったり、内部にお湯が侵入したり、穴が開いていることを知らずに取り出した時に中身が漏れてやけどしたりする恐れがあります」

電子レンジの場合も、耐熱皿に乗せずに温め、直接高温のポリ袋を取り出そうとしてやけどする危険性が考えられると話した。

そこで「耐熱皿を使用するように」との注意書きを製品パッケージに入れるようにした。それでも、注意書きを読まない人はいる。また一部講習で「耐熱皿を使用しなくても良い」と説明しているケースがあり、「誤解が広まってしまっているようです」と担当者。

「アイラップ」を調理に使用する際は「必ず耐熱皿を使用するようにしてほしい」と注意を呼び掛けた。

プラスチック製冷水ポットに熱湯を注いで破裂

アイラップとは別に、過去キッチン用品を誤用して事故につながった例がある。東京都生活文化局消費生活部(新宿区)が運営する情報サイト「東京くらしWEB」の「ご注意ください」の項には、

「耐熱温度100度と表示されているプラスチック製冷水ポットに熱湯を注いで蓋を閉めたところ、急にポットが破裂してお湯が飛び散りやけどを負った」

というケースが紹介されていた。同サイトは、密閉性の高い冷水ポットに熱湯を注いだ後すぐに蓋をしてしまうと「内圧が上昇して変形やひび割れ、破損が起こり、中のお湯が飛び散ってやけどする恐れがある」とその危険性を説明。同じように見えるプラスチック製の冷水ポットでも「全ての商品の耐熱温度が同じとは限らない」とし、購入時には取扱上の注意表示をよく読んで正しい使い方をするよう促している。<J-CASTトレンド>