「ドラマにレギュラー出演するのは今回が初めてなんです。映像の経験がそれほどあるわけでもないので心配や不安もありましたが、今は楽しみながら撮影していますね。

家族は『まさか爽子が連ドラに!』とビックリ。『ボイス』はもともと韓国ドラマなので『見直さなきゃ!』と言って、放送前から準備万端でした!」

こう語るのは、現在放送中のドラマ『ボイスII 110緊急指令室』(日本テレビ系)に出演する女優の藤間爽子(26)だ。7月24日放送の第3話や、さらには31日放送の第4話でも物語の重要人物となる小松知里を演じている彼女。初の連ドラレギュラーとなるが、その好演から注目度が高まっている。

「知里が所属するのは緊急指令室ECU。現場を見るのではなくて、電話の声だけで事件の状況を調べて想像するという部署です。実際、私たちもロケに参加するわけではなく、ロケで録音した声に合わせて撮影しています。なので、できたドラマを見て『こんな事件が起こってたんだ!』って。答え合わせみたいで、それが面白いですね」

前作の『ボイス110緊急指令室』は’19年7月期に放送され、最終回は12.9%を記録。そのため、『ボイス2』も放送前から話題沸騰に。その現場を引っ張るのは、前作に引き続き主人公・樋口彰吾を演じる唐沢寿明(58)だ。

「唐沢さんはとても気さくな方で、スタッフさんや出演者の方にも気遣っていらっしゃって。

『素敵だな、かっこいいな』って思います。でも座長なので……。お話しするだけでも、私はすごく緊張します(笑)。

それと石川透役の増田貴久さん(35)は、テレビのままの明るくて面白い方ですね。コロナ禍の前から消毒にこだわりがあったそうで、『このアルコールがいい、このスプレーがいい』と教えてくださって勉強になりました」

■「祖母と1対1で時間を過ごしたことがないんです」

藤間は17年の連続テレビ小説『ひよっこ』や19年の大河ファンタジー『精霊の守り人III 最終章』(ともにNHK総合)に出演。また19年9月には自身が所属する劇団『阿佐ヶ谷スパイダース』の舞台で主演を務めている。

女優としての活動がますます期待される彼女だが、日本舞踊家としての一面も持つ。さらに彼女の祖母は、紫派藤間流の家元である初代・藤間紫さん(享年85)なのだ。

「日本舞踊を始めたのは、皆さんがピアノを習うような感じと一緒だと思います。習い事が終わったあと友達とお菓子を食べるのが楽しくて、みたいな。扇子が飛んだりとか、そういうスパルタなお稽古ではなくて(笑)。舞踊がうまくできなくて泣くことはありましたが、イヤだとか、怖いとかそういうのはなかったですね」

いっぽう彼女には幼少期、日舞ファミリーの“悩み”があったという。

「祖母と1対1で時間を過ごしたことがないんです。必ず周りに家族やお弟子さんなど、誰かしらいますから。外食の時なんて行列みたいな感じで(笑)。

小さい頃に困ったのが、大人たちが喋ってて会話がなくなると、決まってみんな私のほうを見るんですよ!会話を求めるというか。そういう時って子供や犬に目線行きがちじゃないですか(笑)。小さいながらも毎回、ニガテでしたね」

また、「ザ・名家」のイメージからこんなエピソードも。

「お話してると『許嫁がいるんでしょ?』って聞かれたり……。ちょっと、いつの時代なんですかって(笑)!門限とかもなかったですし、私の家は自由に。女優のお仕事も応援してくれる家族で、しきたりやルールもありません。結婚のパートナーにしても、今のお仕事を応援してくれる方だったら『むしろ私と結婚してくれてありがとうございます』って感じですね」

■「26歳の私はまだまだ“ひよっこ”」

藤間は「日本舞踊は40歳で若手。60歳や70歳で脂が乗ると言われているので、26歳の私はまだまだ“ひよっこ”です」と話す。

「私、いろんな習い事をやってはすぐ辞めてきたんです。

ピアノや歌をやってみたり、プールに行ってみたり……。でも、全然続かなくて(笑)!日舞を続けられたのは『家がそうだったから』っていうのもあると思います」

そして「ずっと続けていることって、強みになりますよね」といい、こう続ける。

「私から日舞をとってしまったら、何もない人間になってしまう気がするんです。襲名したことで責任を持ってやる立場になったんだなって思いますし、日舞や流派のために、つまり誰かのためにお仕事をしなくてはならないなとも今は考えています」

藤間は「もちろん女優のお仕事も手を抜いたりすることはありません。これから、いろんな経験を重ねていけたら嬉しいです」とも語る。二足のわらじで、どんな道を歩んでいくだろう?

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