4月11日から日本テレビでスタートした新番組『午前0時の森』。ホームページによると、「その日のMC1組と、どんなリクエストも受け止めるスーパーアシスタント2人がただただ挑戦的企画を繰り広げる日テレ初の超実験的バラエティー」。

月曜日と火曜日の深夜に放送されるこの番組で、関ジャニ∞村上信五(40)とともに月曜日のスーパーアシスタントを務めるのがお笑いタレントの劇団ひとり(45)だ。

ひとりは3月8日からにNetflixで配信が開始されているバラエティとドラマが融合した番組『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』に出演し、本格ドラマの間に差し込まれる“面白トーク合戦”では、存在感を発揮。また3月21日に放送された日本で革新的な笑いを生み出してきた人たちに迫る特別番組『笑いの正体』(NHK総合)にも出演していた。

話題の新番組への出演が相次ぐひとり。多くの番組からジャンルを問わずこれほど重宝されるのはなぜなのか。お笑い評論家のラリー遠田氏に聞いた。

「ひとりさんは芸人のなかでもできる仕事の振り幅が非常に広い。『ゴッドタン~The God Tongue 神の舌~』(テレビ東京)のようにお笑い要素の強い番組もできますが、逆に『笑いの正体』のようにじっくり語るタイプの番組もできる。それには彼の“育ちの良さ”が関係していると思います」

というのも、ひとりはパイロットの父と、客室乗務員の母のもとに生まれている。母は客室乗務員の経験をいかして、マナー講師に転身し、“顧客との信頼関係を築くマナー術”などを講演していたこともあるといい、曽祖父は昭和初期に高知市長を務めた人物。

「見た目も話し方も落ち着いていて上品な感じがするので、真面目なトーク番組にもマッチするんです。いろいろなジャンルの番組に対応できるのは、こういった彼のキャラクターの幅の広さゆえだと思います」

■様々な場面でいきる憑依型の演技力

ひとりといえば、‘06年に『陰日向に咲く』で小説家デビューし、累計発行部数100万部を超えるベストセラーに。

最近では、監督を務めた映画『浅草キッド』(昨年12月からNetflixで配信)が高い評価を獲得したことも記憶に新しい。このように、お笑い以外の分野での活躍も目立っている。

「ひとりさんはもともと“作る才能”がある方なんです。さまざまなキャラクターを1人で演じ分ける一人芝居風のコントを強みにしてきましたが、それはひとりさん自身がネタ作りをしています。

そういった面白いものを作るセンスが文筆業や監督業でも発揮されているのではないでしょうか」

さらに、監督としての成功の裏にはある能力が関係しているとラリー氏は分析する。

「『ゴッドタン』でのコントなどでも評価されてきましたが、ひとりさんは“憑依型”。役柄になりきって他の人は真似できないような演技をします。この高い演技力は、監督として人を演出するというところでも役立っていると思います」

これは俳優業での活躍にもつながり、NHK大河ドラマ花燃ゆ』(2015年)、『西郷どん』(2018年)でも好演をみせた。昨夏には東京五輪開会式に登場し、オリンピックスタジアムのコントロールセンターで悪戯するスタッフ役を演じた。

「一人芝居風のコントで経験も豊富ですし、何より開会式のコミカルな演技とひとりさんのキャラクターが非常にマッチしていたと思います」

下ネタから五輪の開会式まで、多彩な分野で才能を発揮し、売れっ子のひとりだが、好感度は揺るがない。その理由をラリー氏は次のように語る。

「奥さんの大沢あかねさん(36)の存在です。

大沢さんとの間には3人のお子さんがいて家庭的なイメージもばっちり。好感度の高さには奥さんとお子さんの存在が一役買っていると思います」

“オファーの絶えないタレント”として唯一無二の存在感を発揮し続けるだろう。

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