坂上忍(55)がMCを務めた『バイキングMORE』に代わり、4月から始まったフジテレビの昼の情報番組『ポップUP!』の年内打ち切りが報じられている。テレビ局関係者が話す。

「初回は世帯視聴率3.2%でしたが、4月のうちに1%台を出してしまいました。その後、番組内でドラマを放送するなどの手を打ちましたが、身を結んでいない。今もだいたい1%台で、2%台になれば高いほうです。同じ時間帯のテレビ東京『昼めし旅』にも負けていますし、ここまで低い数字を連発すれば打ち切りは当然でしょうね。『バイキングMORE』は5%前後取っていましたから、『ポップUP!』はその3分の1くらいです」

番組の低視聴率は目にするが、内容が話題になることはほとんどない。

「4月に退社した久慈暁子アナが翌月の生出演中に結婚を発表した時はニュースになりましたが、そのくらいでしょうか(苦笑)。

番組のラストに『曜日対抗!ポップUP!ゲームパーク』というコーナーがあります。同じゲームを月曜から金曜までおこなって、どの曜日が1番かを競っている。これって、『笑っていいとも!』の『曜日対抗!いいとも選手権』と同じですよね。数年前までのフジテレビなら、『パクりだ!』と叩かれていたと思いますよ。今はそんな声さえ上がらない。それくらい視聴率が低く、番組が注目されていません」(前出・テレビ局関係者)

フジテレビの上層部はお昼に31年半続いた『笑っていいとも!』の偉大さを痛感しているという。

「『いいとも』は終了の3年前くらいから視聴率を落としていたし、内容も昔のような面白さがなくなっていました。それでも、2013年の年間平均視聴率が6.1%で民放の横並びトップでしたからね。今さらどうにもならないですが、『いいとも』の終了がフジテレビの凋落に拍車を掛けたことは間違いないでしょう。

当時の亀山千広社長は『いいとも』だけでなく、『スーパーニュース』、『すぽると!』、昼ドラなど長寿番組を終了させて改革に踏み切りましたが、全て裏目に出た。フジテレビは、亀山氏の入社2年目の1981年に『スター千一夜』などの長寿番組を終了させ、『楽しくなければテレビじゃない』をキャッチフレーズに1982年に視聴率三冠王に輝いて復活しました。その成功体験から刷新を図ったのかもしれませんが、知名度の高い番組を続々と切った痛みは今も続いていますね」(前出・テレビ局関係者)

■後継番組は『バイキング』時代に戻ってバラエティ制作班が担当

視聴率1%台連発の原因はどこにあるのか。

「曜日ごとのレギュラーは芸能人ですが、毎日出演しているのは佐野瑞樹、山﨑夕貴という2人の局アナだけ。ただでさえテレビの視聴率が下がっている中で、バラエティ寄りの情報番組の“顔”が局アナでは厳しい。経費削減という事情もあったのでしょうけど、その割に曜日ごとのレギュラーは4~6人います。高岡早紀さん、小泉孝太郎さん、前田敦子さん、ゆうちゃみ、井上咲楽さんなど俳優や人気タレントを集めています。

ただ、帯番組は誰が毎日出ているかが重要ですから、レギュラーを少し減らしてでも柱になるタレントを立てるべきでした。『バイキング』は最初曜日ごとにMCが違い、低視聴率だった。

しかし、坂上忍に1本化して時事ネタを扱うようになってから数字が上がっていった。なんで『バイキング』と同じ間違いをしたのでしょうか…」(前出・テレビ局関係者)

気になる後番組はどうなるのだろうか。制作関係者はこう語る。

「『ポップUP!』は情報制作局が担当しているため情報番組のテイストが強いが、後継番組はバラエティ制作班が担当します。これは『バイキング』時代に戻るということ。そのため、バラエティ色を全面に押し出していくといいます。

新MC候補にはヒロミさんや中居正広さんの名前が上がっており、水面下で打診しているようです。ただ、2人ともベテランですし、十分過ぎるほどの蓄えもある。今さら帯番組に挑戦しても正直、旨味がない。後継番組の“顔”のキャスティングは難航しそうです」

フジテレビの昼番組は前途多難か――。