「大変申し訳なく思っております。一刻も早い回復を祈っております。

とても重く受け止めておりまして、今後安全対策をより一層徹底してまいりたいと思います」

11月30日、定例会見で謝罪したのはTBSの佐々木卓社長(63)。11月24日に行われた同局のバラエティ番組『オオカミ少年』の収録で松本伊代(57)が腰椎を圧迫骨折する重傷を負った。松本は番組内でクイズの不正解者がウレタンクッションで満たされた深さ2.7メートルの穴に落とされる企画「ソクオチ」に参加。しかし、落下した際の衝撃で腰を痛め、病院で診断を受けたところ「全治3カ月の加療を要する」と診断されたという。

「落下直後は痛みのあまりしばらく立ち上がることもできないほどだったと聞いています。現在も痛みはまだ残っているようで、2週間ほど入院する予定だそうです。今回の企画は事前にシミュレーションを行って安全を確認していたそうですが、その場合、試すのは若いスタッフ。還暦前の女性の落下まで想定していたのか……。伊代さん自身は《今は治療に専念し、早く元気になれるように頑張ります》と気丈なコメントを出しています」(テレビ局関係者)

実は松本は、昨年7月にも圧迫骨折をしている。

「“運動中の無理な体勢で背骨を圧迫骨折し、自宅療養中”とSNSで明かしていました。そのときは復帰まで1カ月半かかりました」(前出・テレビ局関係者)

今年5月に出演した『徹子の部屋』(テレビ朝日系)で松本は当時のことをこう振り返っている。

「ヨガというかストレッチみたいなのをやっていまして。

それで無理なポーズをやったらグイッていう感じになっちゃって……」

松本は整形外科で胸椎の圧迫骨折と診断されたものの、コロナ禍で入院先もなく自宅療養をすることに。夫のヒロミ(57)がずっと支えてくれたと同番組で明かしている。

「結局家で1カ月ぐらい安静にということで、ずっと寝てました。シャワーとかもなかなか一人では髪も洗えなかったので、一緒に髪の毛洗ってくれたり。着替えたりする動作もできなかったので、ヒロミさんにパンツをはかせてもらったりとか……」

■「閉経後に女性ホルモンのバランス変化が原因で骨密度が低下」

今回のような事故ではなく運動中の負荷が原因だったようだが、この1年半で2度も圧迫骨折するのはさすがに心配だ。

「骨折が続くのは骨の強度、いわゆる骨密度が低下する骨粗しょう症が考えられます。コロナ禍での慢性的な運動不足が原因でしょう。骨密度が落ちてきているためか、それほど強くない衝撃で圧迫骨折するケースが中高年に増えています。痛みを伴わないことも多く、1カ所骨折したことで骨がまた折れたり潰れたりする“ドミノ骨折”に発展することがあります」(医療ジャーナリスト)

昨年5月14日に更新された「NHK健康チャンネル」公式サイトでは、おもに骨粗しょう症が原因で70代男性では10.8%、70代女性では22.2%の割合で圧迫骨折が発生したと明示して、

《骨折した骨が神経を圧迫してしまうとまひを引き起こす可能性があります。実際に圧迫骨折をした人の10.3%が寝たきりにつながったというデータがあります》

と警告している。このような負の連鎖を回避するためにはどうすればいいのか。柏の葉整形外科リハビリテーションクリニックの山田睦雄副院長はこう語る。

「そもそもなぜ高齢女性が骨粗しょう症になりやすいかというと閉経後に女性ホルモンのバランス変化が原因で骨密度が低下するからなんです。骨が弱い状態になれば当然、骨折のリスクは高まります。軽い衝撃で骨折するいわゆる脆弱性骨折が50代から起きやすくなるのもそのためです。骨粗しょう症は薬や注射などで治療することもできますが、最もいいのはまず予防。そのために手っ取り早いのが運動です。

たとえばフラミンゴ体操という、片足立ちするだけの体操でもいいと言われているくらいです。骨に適度なストレスをかける運動や筋トレなどがアンチエイジングに非常に効果的なんです。また食事に関しても、牛乳を飲んだり、小魚食べたりなど、カルシウム成分が高いものを摂取するのは非常におすすめです」

■「更年期にさしかかったら年に一度骨密度検診を」

まずは骨粗しょう症を予防すること。それが骨折や寝たきりリスクの回避に重要なのだ。

また、山田副院長は“ドミノ骨折”の危険性についてもこう警鐘を鳴らす。

「転倒など外傷が原因の圧迫骨折は痛みを伴うことが多いですが、外傷が原因ではない圧迫骨折は軽い痛みしかなかったり、自覚症状がないことも。徐々に背骨が潰れて、いつの間にか身長が縮んだり姿勢が崩れていったりします。

背中や腰の骨が潰れてくると背中は丸まってきます。またこのような方が転んだ拍子に四肢の骨折をするなんてこともあります。

ですから女性の場合は特に、更年期にさしかかったら年に一度でいいので骨密度検診することをおすすめします。実際に骨折してからでは遅いので、定期的に検査をして、背部や腰部の痛みを伴う場合は、圧迫骨折していないかも診断してもらえば安心だと思います」

“ドミノ骨折”した松本だけでなく、夫・ヒロミもかつて収録中に大きな事故に見舞われていた。

「’91年に『1or8』(フジテレビ系)という番組の収録で彼は『花火で人間は飛べるか』という企画に挑戦し、腰や両足に大やけどを負って入院しました。今回もテレビ番組の過失事故だけにヒロミさんも複雑な思いでしょう。

今年は伊代さんのデビュー40周年ということで、記念ライブなど積極的に活動してきました。さらに来年は結婚30周年を迎え、夫婦でのテレビ出演を増やそうと動いていた矢先だけに伊代さんも残念でしょう」(芸能関係者)

寝たきり老後に怯えることなく“骨太の芸能生活”を送るためにも、松本は生活スタイルをいま一度見直したほうがいいのかも。

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