生け花の作品を、感慨深そうな表情でご覧になっていた紀子さま。4月10日、都内で開かれていた「山村御流いけばな展」を鑑賞された。

長女・眞子さんのお印だったモッコウバラなどを生けた作品を前に紀子さまは、

「心が癒されますね」
「荒々しい世の中だからこそ、こういった草花が皆さんの心を打つのではないでしょうか」

などと述べられ、満足そうなご様子だった。このご表情の背景を、皇室担当記者はこう語る。

「4月1日付の宮内庁人事で、秋篠宮家にとって大きな“戦力強化”につながる人材が事務方に加わりました。宮内庁の報道体制を担う報道室に長年籍を置いていたKさんが、新たに皇嗣職宮務官に就いたのです。Kさんは、一般職で採用されたいわゆる“宮内庁プロパー”。メディア各社の記者からも評判がよく、報道対応にかけては宮内庁随一といわれています。

また物静かで人当たりも柔らかく、すでに皇嗣職幹部や職員とも良好な人間関係を築いています。しかしKさんを起用した人事に、波紋が広がっているのです」

秋篠宮さまが皇嗣となられ、皇嗣家となった秋篠宮家。それにともない、お務めの補佐や日常的なお世話に携わる皇嗣職が新設され、かつての東宮職と同規模の職員を擁する組織となった。宮内庁関係者は内情を明かす。

「東宮職では側近である侍従や女官という名称でしたが、皇嗣職では男女の区別がなくなり、宮務官となりました。同職には総務省や警察庁、国交省など他省庁からの出向者が就く慣例があったのです。

平成以降、生え抜きの宮内庁職員が侍従や東宮侍従に就くことはなく、事実上の東宮侍従にあたる宮務官にKさんが就いたことは、きわめて異例といえます」

これまでも報道担当の宮務官はいたが、報道や広報の経験者が就いていたわけではなく、皇嗣職大夫による記者会見をサポートする程度だったという。

「報道対応にたけたKさんが宮務官となることで、秋篠宮家が主導する形で取材が入る現場を取り仕切ることになると思います。特に秋篠宮家のイメージアップにつながる発信を広報室や報道室に求める“スポークスマン”としての役割が、もっとも期待されているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)

■悠仁さまのご成年と大学受験を目前に…

秋篠宮さまと紀子さまが“掟破り人事”を断行されたのは、秋篠宮家の情報発信の強化という点ばかりが理由ではない。

「昨年、秋篠宮邸の改修費問題に関する説明時期などを巡って、西村泰彦宮内庁長官と当時の皇嗣職大夫だった加地隆治さんの意見が衝突する騒動もありました。さらに秋篠宮さまもお誕生日に際しての記者会見で、『私自身がかなりぐずぐずしていた』と述べられるなど、秋篠宮家による報道対応に問題があったことは事実です。

何よりも今年は、悠仁さまがご成年を迎え、大学受験を控えられる重要な一年。

皇嗣職と報道室が連携し、批判的な報道が過熱することのないよう、紀子さまも心を砕いておられます。

ただ、昨今“旋風”ともいえるほど愛子さまのご声望や人気が高まっています。“悠仁さまよりも愛子さまが天皇にふさわしい”という声すら上がっている現状があり、紀子さまも脅威に感じられているご様子だと聞きます。Kさんが皇嗣職に加わったことで、紀子さまも“これで将来の天皇家にふさわしいイメージを知らしめることができる”と考えられているのではないでしょうか。

しかし秋篠宮ご夫妻は、一宮家時代から報道姿勢について、独自の方針をお持ちでした。Kさんが報道室スタイルの対応を進める過程で、秋篠宮ご夫妻との間に軋轢が生まれる可能性もないとはいえません」(前出・皇室担当記者)

だが静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、“発信のあり方以前の問題”とし、こう続ける。

「そもそも秋篠宮ご夫妻が、皇嗣家として将来の皇室をどのように築こうとされているのかといった展望が不明瞭なまま、目先の問題解決に追われていては、国民の敬愛を得ることは難しいでしょう。

皇嗣家としての理念や哲学、なさりようが見えない発信であれば、情報量が増えたとしても意味はありません。まして、国民から天皇ご一家と競うようなお姿に見えてしまっては、かえって逆効果だと思います」

異例の引き抜きで“凄腕スポークスマン”を皇嗣職に加えられた紀子さま。この人事が、吹き続ける逆風を止める一手となるのか――。