米オハイオ州の81歳の男が先月25日、配車アプリUberの運転手を殺害し逮捕、起訴された。捜査が進むにつれ、この事件の元凶は”詐欺師”の欺瞞にあることがわかってきた。

AP通信などが報じている。

ウィリアム・ブロック被告は事件直前に、裁判所の係官を名乗る人物から「あなたの親戚が刑務所に収監された」という電話を受けている。”釈放するために数千ドルを払え”と典型的な詐欺的な言い回しで脅されたため、ブロックはひどく動揺したという。

そして同じ頃、殺された運転手のロレサ・ホールさん(61)に配車のオーダーが届いていた。「指定の住所まで行って荷物を受け取ってきてほしい」という内容だった。その住所こそが、ブロック被告の自宅だった。

警察は被告に電話をかけた人物と同一人物か共犯者による依頼だったと見ているという。

不審に思った被害者のホールさんは、車に取り付けたカメラで動画を撮影しながら指定された場所へ向かった。ブロック被告も脅迫してきた人物の仲間が来ると思い込み、銃を隠し持って車を待ち受けていた。

TMZによると、荷物を受け取るため車から降りたホールさんにブロック被告は銃を突きつけ、「誰が脅迫電話をかけたのか言え」と迫った。事態が飲み込めないホールさんは車に乗って逃げようとしたが、ブロック被告が発砲。さらに2発撃ち込んだ後、被告本人が911に通報した。

ホールさんは病院に運ばれたが、まもなく死亡した。

ホールさんは配車アプリのオーダーに忠実に従っただけであり、この発注を行ったユーザーを利用停止にしたとUberはTMZにコメント。警察はこの”詐欺師”の行方を追っている。