6月18日、「広島飛ばし」という耳慣れないワードがXでトレンド入りした。きっかけは同日の「中国新聞デジタル」に掲載された記事「大阪の次は福岡で公演…『推し』が来ない! コンサートやライブの『広島飛ばし』なぜ? 実態を探った」だ。

同記事によると、23年の「広島県でのコンサートなどの公演回数は福岡県の半分以下、宮城県の6割にとどまっていた」という。そして、その原因のひとつが、中四国地方で唯一アリーナツアーができる「広島グリーンアリーナ」の有料興行の日数が「10%以内」と定められており、「日本一取れないアリーナ」であることと結論づけている。

では、実際に広島に住む人たちは、アーティストたちが全国ツアーで広島を飛ばすことについてどう感じているのか。本誌が地元住民に取材をおこなうと、次のような声があがった。

「『広島飛ばし』、すごく感じます。好きなアーティストのライブが広島では開催されず、福岡まで遠征することも少なくないです」(広島県広島市在住 20代女性)

「なんでいつも広島ばっかり……と思いますが、大規模なライブをできるのがグリーンアリーナぐらいしかありませんからね」(広島県廿日市市在住 50代男性)

なぜ、「広島飛ばし」が起こるのか、広島のライブ会場に詳しい音楽関係者に話を聞いた。

「グリーンアリーナが取りづらいことはもちろんですが、中規模の“ハコ”が少ないのもひとつの要因かと思います。音楽ライブが開催できる代表的な会場は市街地でいえば、広島文化学園HBGホール、上野学園ホール、JMSアステールプラザなど、数多くあるのですが、いずれもキャパは1000~2000人程度です。

それよりも多く収容できる会場となると、約6000人の広島サンプラザのホールと、約10000人のグリーンアリーナに限られます。超大物クラスであれば、それぐらいのキャパも軽く埋められるのですが、新人や売り出し中のアーティストには難しく、チケットの売れ残りを危惧して敬遠されるのでしょう」

大規模な会場でいえば、広島にはスポーツスタジアムもある。15年には、サッカーのホットスタッフフィールド広島でMr.Childrenのライブが行われている。

「現在はグリーンアリーナの隣に開業した新サッカースタジアムのエディオンピースウイング広島や、野球のMazda Zoom-Zoom スタジアム広島もありますが、試合日の調整や芝の養生、音響問題などとの兼ね合いで、今のところ音楽ライブの開催は現実的ではありません」(前出・音楽関係者)

市街地の会場が少なく、不満を漏らす住民も多かった一方で、こんな意見も。

「私にとっては、ライブといえば昔からグリーンアリーナで、たくさんの思い出があります。世界的なアーティストも度々訪れていて、私も20年前ぐらいにアヴリル・ラヴィーンのライブを観に行きました。最近はK-POPのアイドルが多い印象ですね。他県のドームなどと違って市街地の中心にありますし、ライブが終わったあとに公共交通機関で帰ることができるというアクセスの良さもポイントが高いです」(山口県岩国市在住 40代女性)

「先日、あいみょんのライブをHBGホールに観に行きました。2000人しか入れず、チケットは争奪戦でしたが、会場もこじんまりとしているので、あいみょんとの距離が近くて最高でした。こんなに近くで人気アーティストを見られるのも広島ならではの良さではないでしょうか。

すっかりあいみょんにハマってしまって、12月のグリーンアリーナでのライブも観に行く予定で、今から楽しみです」(広島県広島市在住 30代男性)