今年の夏ドラマでは3人の若手アイドルがパパに初挑戦! そのほか韓流ドラマのリメークや人気シリーズの第2弾など話題作が目白押し。本誌ドラマウオッチャーたちが、女性にオススメの作品を徹底討論します!

■韓ドラ好きは絶対ハマるドロドロ&ハラハラ系が人気!

6年ぶりに復活した『ブラックペアン』や、セレブ妻の泥沼マウント劇が楽しめる、韓流リメーク版『スカイキャッスル』のハラハラする展開にくぎ付け。

30代編集N(以下、N):夏の新ドラマの初回平均世帯視聴率が出そろいました。トップは、二宮和也主演の日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』で、2位に韓国ドラマのリメーク版として注目される『スカイキャッスル』が入ってきました。

50代記者H(以下、H):シーズン1で二宮が演じた渡海と瓜二つの天城が一体、何者なのか。最初は、もしや渡海? と思って見ていましたが、毎回入るインサートの子供の映像を見て、これ天城? 子供が2人いる!? ってざわついていますよ(笑)。

30代記者S(以下、S):二宮和也もなんであんな髪の色にしたんだろうと思ったけれど、天城のうさん臭い感じを見て、ピッタリだな、と。

N:竹内涼真が演じる世良との師弟コンビもいいですよ。天城から手術方法を教わっているシーンに心が熱くなりました。

S:2人の身長差に萌えるんだよね(笑)。なんだかんだトラブルがあっても、最後は天城先生が丸く収めてくれるところが、『水戸黄門』のようなお決まりパターンで見やすい。そういうところも人気の要因かも。

N:『スカイキャッスル』は、クセあり女性キャラ好きとしては、初っ端から心をつかまれました。女性キャストのキャラクターも濃いめで、各家庭のカラーの違いがわかりやすく描かれています。

受験コーディネーター役の小雪も貫禄があって、役にピッタリですね。

S:本当、めちゃめちゃ面白かった。受験戦争ものかと思っていたら、いきなり自殺者が出てビックリ。サスペンス要素もあってワクワクします。女優がみんなきれいだし、演技派ぞろいなので、女たちの腹の探り合いや、ドロドロのマウントバトルが楽しみ!

H:韓国版を見ていたので、話の大筋は知っていたんですが、日本版も期待を裏切らない感じで、俳優陣の熱演に引き込まれましたね。受験生役の若手俳優たちの演技も注目したいです。

■とにかく笑いたい人はギャグ連発コメディがオススメ!

現代の社会問題をキャッチーに取り上げたクドカン新作と、自己中心的な億万長者を山田涼介が演じる学園ドラマはクセ強キャラぞろい。

S:宮藤官九郎脚本の『新宿野戦病院』は、新宿・歌舞伎町の病院を舞台に、トー横キッズの実情や、ホストクラブの売掛(ツケ払い)商法など、今の日本の社会問題を取り上げているところがさすがです。

N:ワケありな登場人物だらけなんだけど、悲壮感がないし、コメディっぽい描写になっているから、楽な気持ちで見られます。岡山弁と英語を操る小池栄子のぶっ飛びキャラもピッタリで、個性豊かな病院スタッフたちとの掛け合いもテンポがよくて楽しいですね。看護師長役の塚地武雅の流ちょうな英語もすごい。

H:クドカン作品って、一見ふざけているようで、セリフは意外に的を射ているんですよ。

最初、なぜ、米国帰りの元軍医が主人公なんだろうと思っていたけど、“命が平等だからじゃ”というセリフを聞いて合点がいきました。クドカンが命の尊さをテーマにドラマを書くと、こうなるのかって。

S:ぶっ飛びキャラで言ったら、山田涼介主演の学園ドラマ『ビリオン×スクール』。自己中心的な億万長者のキャラがハマっていて、クスクス笑いながら見ています。『探偵学園Q』で共演した志田未来神木隆之介と山田が、17年ぶりにそろったのもエモい(笑)。

■アイドルの“パパ”ラッシュ!初々しいパパ姿は必見

松村北斗の板についたシンパパぶりと、戸惑いながらも娘と向き合う目黒蓮の対比や、向井のバツイチ子持ちの役どころが面白い!

N:イケメンが出演する注目作は、目黒蓮主演の『海のはじまり』や松村北斗の『西園寺さんは家事をしない』なども。偶然にも、2人が同じくシングルファザーを演じているところも注目されています。

H:あと、山岳医療にスポットを当てた医療ドラマ『マウンテンドクター』の杉野遥亮もカッコいいですよ。日に焼けた精悍な顔がとても清々しい。彼の同級生を演じる向井康二もバツイチ子持ちの役ですね。

S:『海のはじまり』は、目黒蓮のブレークのきっかけとなった『silent』のチームが再集結した作品ということでも関心を集めていましたが、期待どおりの良作ですね。とにかく、キャスティングがよくて、登場人物一人ひとりの心の機微が丁寧に描かれ、感情移入しながら見ちゃいますね。

古川琴音扮するシングルマザーの気持ちも、有村架純が演じている現在の恋人の気持ちもわかるからツラいんですよ。

H:目黒蓮の演技も自然体でいいなあ。私は、彼と大竹しのぶのやりとりのシーンが好きで、2人の一つひとつのセリフの抑揚や目の演技から目が離せない。あと、池松壮亮ってやっぱりすごい役者ですよね。目立たない役だけど、表情が雄弁というか、彼がいるだけで場がグッとしまる感じがします。

N:何よりも、海役の泉谷星奈ちゃんの存在にみんなが救われますよ。描かれている内容が重いからこそ、彼女のかわいらしさで心が少し軽くなるし、あのまっすぐな瞳を見ていると、心が洗われる。

H:『西園寺さんは家事をしない』は、松本若菜の演技も好感が持てるし、松村北斗のシンパパぶりも板についていて、偽家族という設定がリアルに楽しめます。そこは、『逃げるは恥だが役に立つ』などのヒット作を生んだ火曜10時枠のドラマという感じですね。

S:『海のはじまり』と同じく、『西園寺さんは家事をしない』も家族の物語を描いているんですよね。シングルパパ、ステップファミリー、と時代で家族の形は変わっても、家族の絆を描いているところは同じなのかなあと。視聴者の共感を呼ぶと思います。

N:『南くんが恋人!?』の飯沼愛の家族もステップファミリーですよね。複雑な家族関係だけど、みんなが幸せって描いているので、明るい気持ちになれます。

H:娘の恋愛にオープンなところとかも今っぽいのかも。飯沼愛のフレッシュさも青春ドラマって感じで、八木勇征は、『美しい彼』以来の当たり役だと思う。

S:『笑うマトリョーシカ』の水川あさみは、家族と仕事の間で揺れる記者役。玉山鉄二の政治家秘書役も、櫻井翔の議員役もハマり役です。今期はサスペンス色の強い作品が少ないので期待しています。

H:それにしても、ミステリアスな美魔女を演じさせたら、高岡早紀の右に出る人はいませんね。また、ミステリアスといえば、『マル秘の密子さん』の密子さんも異色のキャラクター。清純派役が多かった福原遥の新たな一面が見られて、とても新鮮です。衣装も美術も凝っているので、女性にウケそう。

S:たびたび登場するかき氷が何かの伏線なのかなあ? って。

また、福原のセリフの「あなたが変われば、世界は変わる」という言葉も心に刺さります。

N:松岡茉優主演の『ギークス』も女性キャストのクセが強くて好きです(笑)。適度に働いて、適度に稼げればいいと思っているキャラって意外にいないから、そういう価値観を持っている人はいいなと思います。

S:アフターファイブを大事にしたいって気持ち、今っぽいよね。でも、仕事となれば、結局ちゃんとやってしまう。そこがギークスなんですよ。

N:医療ものから新たな家族の形を描くホームドラマまで多様な作品がそろった今期。韓ドラのリメーク版も追い上げ傾向で、最後まで見逃せない!

■本誌編集&記者のBEST3は……

【50代記者H】

1位『笑うマトリョーシカ』
2位『新宿野戦病院』
3位『ブラックペアン シーズン2』

【30代記者S】

1位『海のはじまり』
2位『笑うマトリョーシカ』
3位『西園寺さんは家事をしない』

【30代編集N】

1位『スカイキャッスル』
2位『海のはじまり』
3位『ギークス』

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