3月31日、中居正広氏(52)の女性トラブルをきっかけに、フジテレビおよび親会社フジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会による調査報告書が公表された。
この事件も収束を迎えたかに思われていたなか、5月12日、中居氏の代理人に新たに就任した5名の弁護士が、第三者委員会の竹内朗委員長らに文書を送付。
「とくに争点になっているのは、中居さんによる性的行為は“はたして暴力的および強制的だったのか”という点でしょう。
報告書では、WHOの定義にもとづいて被害女性である元フジテレビアナウンサー(Aさん)が“性暴力を受けた”と認定していました。しかし、これに対して中居さんの弁護団は《当職らが中居氏から詳細な事情聴取を行い、関連資料を精査した結果、本件には、「性暴力」という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした》とし、トラブルにおける暴力性・強制性を否定しているのです」(芸能ジャーナリスト)
そして著名人からも同様の見解が。元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(55)は14日、カンテレ『旬感LIVE とれたてっ!』に生出演し、この事件の報告書における“性暴力の実態”に関して疑義を呈した。
橋下氏は、第三者委員会の報告書が公になった際、中居氏の“弁護士以外の関係者”から連絡があったと話し、「中居さんは事実を全部言いたいらしいです」と、公になっていない中居氏側の意向について言明。そして、事件の暴力性については以下のように私見を述べた。
「(女性にとっては)意に反した性行為なんでしょう、そこは中居さんも申し訳ないと言ってる。ただ当日の状況を見てもらえれば、こういう風に“性暴力”だとか、少なくともこれだけ社会的制裁を受けるような話ではない、と、感じる人も僕はすごい増えると思う」
実際、弁護団側の文書には《具体的行為は明らかとされないまま、「性暴力」という言葉が一人歩きしていきます》とも記されている。中居氏側は、“性暴力”という言葉の定義に問題があると考えているとみられる。
とはいえ、中居氏の性的行為が女性に引き起こした精神的な被害が甚大なものだったことは、事件発生直後のAさんの言動などから十分にうかがえる。
「報告書によると、Aさんは、‘23年6月6日、アナウンス室長に対し号泣しながら事件について報告し、その際にAさんは《知られたら生きていけない》と証言しています。
また、フジテレビの産業医に対しては《みんな生きている世界と自分に大きな隔たりがあって、もう戻れない》や《(ニュースを読んでいる際に、亡くなった人の名前を読んで)私が代わりに死ねばよかったと思った》と思い詰めるほどの精神的なストレスを訴えているのです」(前出・芸能ジャーナリスト)
また5月14日配信の『NEWSポストセブン』の報道では、中居氏側の反論文書の公表を受けて直撃取材に応じたAさんは《これまで聞いていた内容と違うので困惑しています》とも回答している。
全国紙社会部記者が話す。
「これらのことから、中居さんとAさんの双方で“性暴力”に関する認識や見解が大きく食い違っているのではないかと考えられます。
中居さん側は、“性暴力”という言葉の強さが実態とはかけ離れた凶暴性を表しかねないと危惧しているようですが、報告書に記載されたAさんの症状を確認する限り、密室での出来事が女性に大きな精神的ストレスを与えうるものであることは十分に読み取れます。
とはいえ、“どこからを性暴力として認めるのか”という抽象的な定義付けの話になると、現段階で“性的行為の暴力性”をめぐって双方の認識に齟齬が見られることもあり、建設的な議論はなかなか困難になってくるのではないでしょうか。場合によっては、泥沼化の様相を呈する可能性も考えられます」
橋下氏のコメントによると《言いたいこと、当日のこと、第三者委員会で詳細に話をする》意向だという中居氏。性暴力の認識ですれ違う両者だが、はたして双方の意見が調停される日は――。