気温や湿度の変動が激しい日が続く梅雨の季節は、寝つきが悪いなどの睡眠トラブルが増える。

「食事から睡眠の質を上げるには、眠りを誘うメラトニンという睡眠ホルモンを生成する『トリプトファン』を朝にしっかり摂取することが大切です。

そこで朝食でよく食べる食材を調べたところ、バナナが最も効率がよいということがわかりました」

そう教えてくれたのは、管理栄養士の渥美まゆ美さん。トリプトファンは、タンパク質に含まれる必須アミノ酸のひとつだ。高タンパク源の食材はほかにもあるのに、なぜバナナなのだろうか。

たしかにバナナのトリプトファンの含有量は100g中15mgととりわけ多いわけではないのですが、それを効率的に体内に取り込む働きのある、ビタミンB6と炭水化物も含んでいるのがポイントなんです。

また、バナナはほかにも神経の興奮を抑えるマグネシウム、抗ストレス作用のビタミンCといった、快眠に欠かせない栄養素がバランスよくギュッと詰まっています」(渥美さん)

■ミキサーで野菜と攪拌してスムージーにも

食べる時間もポイントだという。

「トリプトファンは日中はセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。このメラトニンは、目覚めてから14~16時間後にセロトニンを原料に作られますから、朝食にバナナを1本食べることで、体のリズムが整い、夜の寝つきがよくなるサイクルを作れます」(渥美さん)

バナナはそのまま手軽に食べられて便利だが、常温で保存するとすぐに黒く変色してしまう。

そこで、冷凍生活アドバイザーでSNS総フォロワー数110万人の冷凍子ママさんに、バナナの冷凍保存(ポキポキバナナ)の方法と朝食アレンジを聞いた。

「皮に黒い点々が出ている食べごろのバナナは、包丁いらずで冷凍バナナにしてしまいましょう。皮をむいて、ぴったりとラップに包んで、手のひらで潰し、冷凍します。

薄く潰しておくことで、解凍を待つ必要がありません。そのままアイスのようにかじって食べたり、“ポキポキ”割って使えます。

ヨーグルトに入れたり、きなこと黒蜜をかけたり。バナナジュースにしても氷で薄まらずにおいしくできるので便利なんです」

皮が黒ずんでいるのは甘く熟した証拠でもある。値上がり中のバナナは、お得な見切り品を狙うのもあり。冷凍庫にストックしておけば、約3週間もつ。

「わが家は冷凍バナナと野菜でスムージーをよく作るのですが、野菜はにんじんの切れ端やキャベツの芯など食べにくい部分を、薄くスライスして冷凍ストックしておいたものを使います。なかでもキャベツの芯は甘さも強く、葉よりも栄養価が高いんです。ミキサーで攪拌するため食べにくさもなく、ほうれん草や小松菜よりクセなく食べられます」(冷凍子ママさん)

快眠効果も期待できるバナナ。毎朝1本を目安に、ひんやりバナナを取り入れて!

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