「豊川悦司さん(63)や柄本佑さん(38)といった所属俳優はもちろん、寺島しのぶさん(52)、佐藤浩市さん(64)など別の事務所の俳優もお別れ会に参加していました」(芸能関係者)
6月23日、都内で芸能事務所・アルファエージェンシーの前代表取締役・万代博実さんのお別れ会が行われた。
万代さんは今年2月、74歳で他界。
「万代さんは撮影現場に足を運ぶことも多く、差し入れを手渡しながら俳優や子役にまで声をかけるような人でした」(制作関係者)
その死をもっとも悲しんでいたのが伊藤沙莉(31)だという。
「2月の葬儀には家族や所属俳優、事務所スタッフが参列しましたが、伊藤さんはかなり泣いており、憔悴しきった様子だったそうです。
万代さんは昨年10月のがん告知からわずか4カ月で亡くなってしまったので、余計にショックは大きかったのでしょう」(前出・制作関係者)
2人の出会いは12年前。伊藤が18歳のころだ。
「前事務所との契約が終了した伊藤さんを万代さんが迎え入れたときから2人の交流が始まりました。9歳からドラマに出演していた伊藤さんですが、当時は子役から俳優になる過渡期ということもあり、大きな作品に恵まれずにいました」(前出・制作関係者)
伸び悩んだころ、万代さんからかけられた言葉が彼女の礎になっているという。’23年に出演した『ANOTHER SKY』(日本テレビ系)でこう語っていた。
「今の事務所に入りたてのときに言われたのは“焦るな、はやるな”っていう言葉をすごい言われて」
この言葉から、「気長であること」の大切さを学んだという伊藤。その後も彼女の悩みにそのつど向き合った。
「伊藤さんは低くてハスキーな声が特徴ですが、それをコンプレックスに思っていた時期もあったといいます。
しかし万代さんは“声はむしろ長所だ”と絶賛し、伊藤さんに自信を持たせたといいます。
万代さんは悩みを抱える俳優に朝まで飲みに付き合って話を聞いてあげるなど、俳優から信頼される存在でした。伊藤さんも一晩中励ましてもらうようなことがあったのでしょう」(前出・制作関係者)
前出の芸能関係者は言う。
「伊藤さんがヒロインを務めた朝ドラ『虎に翼』が大好評のうちに終わり、万代さんもとても喜んでいたそうです。ヒロインに決まったときも万代さんは満面の笑みで祝福していました。
また昨年末には、伊藤さんは約3年の交際を実らせ脚本家・蓬莱竜太さん(49)と結婚。万代さんが存命のうちにこうした姿を見せることができ、恩返しを果たせたという思いも強いのではないでしょうか」
伊藤の可能性を信じ、支え続けた育ての親。その情熱は、伊藤のなかで生き続けるだろう。