「明菜さんは12月に8年ぶりのディナーショーを開催します。還暦という節目に久しぶりのディナーショーを選んだのは、まさに“第2章の幕開け”と位置付けているから。

これを機に、活動が活発化していきそうです」

こう語るのは音楽関係者。

2会場8公演のディナーショーを12月に控える中森明菜(60)。それに先駆け、この夏はある場所で英気を養っていた。

「明菜さんはこの夏、八ヶ岳に旅行に行ったそうです。もともとは自宅で過ごすことが好きなインドア派ですが、この夏は特別でした。というのも、この旅行は明菜さんの還暦祝いをかねていたそうなんです」(前出・音楽関係者)

明菜はなぜ、還暦という節目に八ヶ岳を選んだのかーー。

「明菜さんは海外旅行のイメージが強かったので国内旅行とは少し意外ですね。かつては、休みのときにはよく海外に飛び立ってリフレッシュしていました。

明菜さんは現在、ディナーショーの準備に加えて、アルバムの制作も進行中だと聞いています。あまり時間がないだけに、国内はちょうどよかったのかもしれませんが……」(前出・音楽関係者)

旅行ガイドライターは言う。

「八ヶ岳は都内から車で2時間ほどですからね。上級者向けの登山コースもありますが、散策やハイキングコースも整備されているので体力に自信がない人でも自然を楽しめます」

明菜も、激しい登山というよりは静かに自然を楽しんだことだろう。

「八ヶ岳自然文化園というレジャー施設に人気のカフェ、近くにはベーカリーがあります。

八ヶ岳にはほかにも美術館や音楽ホールなども点在しているので、芸術好きが楽しめる環境です」(前出・旅行ガイドライター)

しかし八ヶ岳に魅了されているのは明菜だけではない。今、60代の間で八ヶ岳が“再ブーム”となっているというのだ。

一般社団法人「八ヶ岳ツーリズムマネジメント」の担当者が語る。

「八ヶ岳エリアを旅行で訪れる人は、やはり60代の方が多い印象です」

この地の人気の理由は昭和の時代にさかのぼる。

「今から40年ほど前、“清里ブーム”がありました。雑誌『anan』や『non-no』などがよく旅行の特集をしていたなかで、清里も取り上げられていたんです」(前出・八ヶ岳ツーリズムマネジメント)

八ヶ岳の南麓に位置する清里。’70年代から’80年代にかけて、“アンノン族”と呼ばれた女性たちはこぞってこの高原を訪れていたのだ。

前出の旅行ガイドライターは言う。

「清里は原宿の竹下通り並みににぎわうほどの人気でした。タレントショップやペンションが多く立ち並び、若い女性の間ではあこがれの旅先。キラキラとしたイメージを持つ人は今でも少なくないのではないでしょうか」

そのアンノン族も時を経て60代に。

「当時、友達同士やカップルで清里を訪れていたアンノン族も今や60代。ライフステージが変わって子どもや孫と八ヶ岳に遊びに来るということも多いようです。長く八ヶ岳エリアを愛してくれているんですね」(前出・八ヶ岳ツーリズムマネジメント)

若かりしころからの思い出が詰まった八ヶ岳エリア。いわば青春の地であり、60代以降もさらに思い出を重ねていくということのようだーー。

青春の地への愛着からか、移り住む人もいるようだ。八ヶ岳を擁する山梨県北杜市のふるさと納税課によると、

「リモートワークが定着した影響か、コロナ禍直後に移住者数は増えた印象です。相談件数も多かったです」

とのこと。

同じく八ヶ岳を擁する長野県茅野市の移住・交流推進室も、

「移住者は年々増加傾向にあります。特に夏場は例年日本中が猛暑となりますが、“この地域は標高が高いのがいい”と、気候を好む方も多いです」

実際、茅野市は移住についての相談が’21年は217件だったのが年々増加。’24年には512件もの相談が寄せられたという。

演歌歌手の藤あや子(64)は、自身の絵画や陶芸を展示するギャラリーを八ヶ岳で運営。映画『ビー・バップ・ハイスクール』などで活躍した女優の宮崎ますみ(57)も、’19年末に八ヶ岳に移住したと公表している。

こうした移住者の存在は、旅行客にも好影響をもたらしているようで……。前出の八ヶ岳ツーリズムマネジメントの担当者はこう話す。

「定年後に八ヶ岳エリアに移住した人や、別荘を持って二拠点生活を送るという人も60代、70代には多いですね。

そうした人たちからのニーズが高まり、八ヶ岳ではおしゃれなカフェやレストラン、一棟貸しのペンションが増えています。高級感のある雰囲気のお店も多いです。

’24年の1人あたりの旅行単価は、すべての世代のなかで60代がいちばん多いそうです。そのため、60代の旅行客が“ハレの日”のためにこうしたお店を利用することも多いと思いますよ」(前出・八ヶ岳ツーリズムマネジメント)

清里ブームから40年。明菜も還暦のお祝いに訪れた八ヶ岳で、“第二の青春”を謳歌したのかーー。

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