温泉街の北投に位置する普済寺は1905(明治38)年創建。則竹さんの父、玄敬さんは湯守り観音を安置する本堂の建設に携わり、1916年の落成に貢献した。同寺は地元住民に温泉の守護寺として親しまれたという。保存状態が良好で、質素ながらも荘厳な美しさを持つ仏教寺院は台湾では珍しいことから、1998年に市定古蹟に登録されている。
父の玄敬さんはその後、台南で開教に励み、1937年に秀南さんが生まれた。秀南さんはこの日、友好寺院締結のために普済寺を訪れ、「台南は私の故郷」と台湾への思いを明かした。
(楊明珠/編集:名切千絵)