(台北 25日 中央社)中国の対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は25日、行方が分からなくなっている台湾の学者、蔡金樹氏を「国家に危害を与える活動に従事した」疑いで昨年7月から拘束していることを初めて明らかにした。行政院(内閣)のKolas Yotaka(グラス・ユタカ)報道官は同日、関係部門が積極的に交渉を進めているとし、「中国にはほぼ政治しかなく、法治はない」と非難した。


台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会によると、蔡氏が昨年7月20日、食品商談会参加のために中国・福建省泉州市に渡航し、翌日に宿泊先のアモイのホテルで退館手続きをした後から連絡が取れなくなっているとの陳情が蔡氏の親戚らから同8月末に寄せられていたという。蔡氏は、両岸(台湾と中国)関係の発展に関心を向ける団体「南台湾両岸関係協会聯合会」の主席を務めている。

同基金会によれば、台湾人が中国大陸で失踪したとの陳情の受理件数は、蔡英文政権が発足した2016年5月20日から今月17日までに計149件に上る。18日の時点で、67件は具体的な足取りがつかめていない。

(顧セン/編集:名切千絵)