(台北中央社)日本の安倍晋三首相が国会答弁で、台湾が世界保健機関(WHO)に参加できていない現状に言及し、その件を「テドロス事務局長にも直接申し上げている」と述べた。これを受けて外交部(外務省)は30日、安倍首相と日本政府に対する「最も深い敬意と感謝の気持ち」を表明した。
その上で、引き続き日本と感染症に関する情報交換や防疫分野における協力深化に期待を示した。

安倍氏は29日の参院予算委員会で野党議員から台湾のWHO参加について質問を受け、「台湾はかつてオブザーバー参加していたが、その時は国民党政権だったが、(民進党の)蔡英文政権になって態度を変えてしまったという問題がある」と発言。「そういう政治性をなくしていくというのが本来のWHOでなければならない」とする日本の姿勢を強調した。また、ウイルスには国境がなく、「情報が共有されないようなことがあれば大変な問題だ」として、国際社会が一致結束して新型コロナウイルスに対応すべきとの見解を示した。

外交部は、新型コロナウイルスが世界的にまん延する中、台湾がWHOに参加することの重要性とひっ迫性は明白だと強調。WHOに対し、台湾を新型コロナ対策の専門家会議やWHO総会へのオブザーバーに参加させるよう呼び掛けるとともに、国際社会に対しても、台湾を支持し、共にウイルス拡散を食い止めるために努力しようと訴えた。


(陳韻聿、楊明珠/編集:塚越西穂)