(台北中央社)蔡英文総統は20日、中華民国(台湾)第15代総統に就任する。当日行う就任演説では、中国との関係について、台湾を矮小化して現状を破壊する「一国二制度」は受け入れないとする立場や、今年1月の総統選で再選を果たした際に表明した「平和、対等、民主主義、対話」に基づいて対処する姿勢が改めて示される見通し。


総統府の黄重諺報道官が19日に明らかにした。黄氏によれば、演説では、世界の政治・経済情勢が急変する中、国際社会の一員としての台湾の対応などが報告される。具体的には、新型コロナウイルス対策に一丸となって取り組んでいる台湾の人々への感謝と団結の重要性、コロナ後の時代を見据えた4つの戦略の策定など。

4つの戦略は▽産業の発展▽社会の安定▽国家の安全▽民主主義の深化。産業の発展では、デジタル・情報関連産業の発展強化やバイオ・医療テクノロジー産業の国際化、医療物資、日用品の確保に向けた産業体制の構築などを目指す。

国家の安全については、「非対称戦力」の強化や装備増強、軍の管理体制の改善を約束するほか、従来の対テロ対策や人道支援などの枠を超えた、国際機関へのより積極的な参加を訴える。
このうち、両岸(台湾と中国)の平和と安定に関しては、双方の交流のあり方を定めた「両岸人民関係条例」や憲法に基づいて両岸間の事務を処理し、台湾海峡の平和と安定を維持することが強調されるという。

(編集:塚越西穂)