(台北中央社)外交部(外務省)は30日、トランプ米大統領が世界保健機関(WHO)脱退の意向を表明したことについて、直接的なコメントを避けつつも、今後の発展を注視し、台湾にとって最良の策略を練りたいとする姿勢を示した。

トランプ氏は29日、ホワイトハウスでの記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり「WHOを完全に支配している」などと中国を批判。
WHOとの関係を終わらせ、米国の拠出金をほかの公衆衛生団体に回す考えを明らかにした。

同部は、以前米国の動きについて討論したことがあると明かし、事の重大性に鑑み、複数のルートを通じて今後の影響や他国の反応などを理解したいとしている。

一方、陳時中衛生福利部長(保健相)も、自身が指揮官を務める中央感染症指揮センターの記者会見で同件に言及。詳細については米国の説明が待たれるとした上で、米国が本当にWHOを脱退するなら、世界には信頼できるプラットフォームがもう一つ必要になると述べ、「これは一つのチャンス」と強調。積極的に参加を求めていく意向を示した。

WHO未加盟の台湾は、2009年から8年連続でWHO総会にオブザーバーとして参加してきたが、中国の圧力により17年以降は出席できない状態が続いている。


(陳韻聿/編集:塚越西穂)