(台北、香港中央社)南シナ海の東沙島に向かっていたユニー(立栄)航空の定期チャーター便が香港飛行情報区(FIR)への進入を拒否された問題で、厳徳発国防部長(国防相)は16日、中国に対し、「国際的な飛行の安全を重視し、国際的な航空秩序を壊すな」と呼び掛けた。

15日午前、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)がチャーターしたATR72-600型機が南部・高雄市の高雄空港から東沙島に向けて出発したが、香港の航空管制当局から「高度2万6000フィート(約8000メートル)以下で危険な活動が行われている」として香港FIRへの進入を拒否され、同空港に引き返した。


厳氏は台北市の立法院(国会)で報道陣の取材に応じた。15日の状況について、国防部(国防省)が確認した内容として、当時、周辺の海空域ではいかなる軍事演習活動も行われておらず、異常はなかったと説明。中国の海事局も飛行禁止の情報を出しておらず、状況は正常だったとの見解を示した。

15日から16日午前にかけて東沙島上空を通過した民間航空機は、チャイナエアライン(中華航空)とエバー(長栄)航空を含め、全て正常に飛行していたことが確認されている。

香港の民用航空当局は16日、中央社の取材に対し、「台湾の航空管制センターから、当該の航空便の香港FIR進入の要求を取り消すと伝えられた」と説明した。

(范正祥、游凱翔、汪淑芬、張謙/編集:名切千絵)