(台北中央社)新型コロナウイルス対策を担う中央感染症指揮センターの陳時中(ちんじちゅう)指揮官は6日、感染が相次いでいるチャイナエアライン(中華航空)乗組員の検疫、検査体制を強化する方針を発表した。乗組員や検疫用ホテルなど関係者のあらゆる感染リスクを抑え込み、感染拡大阻止を図る。


同社操縦士とその乗組員を受け入れていた検疫用ホテルに関する感染が相次ぎ、同センターは全操縦士1279人を対象とした集中検査を実施していた。陳氏は6日の会見で、操縦士全員の検査が終了したと説明。ほとんどの操縦士は複数回検査を受けたとした上で、新たな感染者は確認されていないと述べ、防疫対策を強化することで乗組員や市民の安全を確保したい考えを示した。

今回の措置では、長距離便の操縦士の在宅検疫(外出禁止)期間を3日から5日に延長。その後は9日間、人出が多い場所への出入り禁止などを求め、この期間中、検査を5回実施する。短距離便の操縦士は、マスク着用や社会的距離の確保が困難な公共の場への出入り自粛が14日間求められる。
入国後の検査は2回。

陳氏によると、同社との話し合いでより厳格な措置も検討されたが、実施した場合、運航の維持ができなくなるため、シフトへの影響が小さい方法が採用された。

検疫用ホテルの管理も強化する方針で、航空会社には世界保健機関(WHO)が定める宿泊施設に関する規定に従うよう要求。ホテル内で感染者が確認された場合には対応計画を策定することも求めた。

一連の感染の感染源についてはいまだに調査中とされている。陳氏は、現段階では海外から持ち込まれたウイルスがホテル内で広がったと考えられるとし、ウイルスの遺伝子配列の分析を引き続き進める方針を示した。


(張茗喧、陳婕翎、江慧珺/編集:楊千慧)