(台北中央社)日本統治時代生まれの昆虫学者で、台湾や世界各国の病虫害防除に尽力した連日清さんが16日、亡くなった。94歳だった。
台湾昆虫学会が17日発表した。連さんの貢献に感謝するため、行政院(内閣)農業委員会は、蔡英文(さいえいぶん)総統による表彰を申請する方針を示した。

連さんは1927(昭和2)年生まれ。台北帝国大学(現・台湾大学)熱帯医学研究所で手伝いをしていた際、同研究所の大森南三郎教授の後押しを受けたのをきっかけに熱帯感染症の分野に携わり始めた。戦後はマラリア対策に取り組み、1965年には中華民国(台湾)が世界で初めて世界保健機関(WHO)からマラリア撲滅の認証を受ける立役者となった。

デング熱の研究にも熱心で、70~80代になってからも、外交部(外務省)の要請に応じて、複数回にわたって台湾と外交関係を持つ国を訪れ、公衆衛生分野の人材育成や疫学調査体制の構築に協力を惜しまなかった。


同学会は深い哀悼を示すとともに、安易に妥協しない連さんの研究精神を継承するよう学界に呼び掛けた。

(陳至中、楊淑閔/編集:荘麗玲)