(台東中央社)東部・台東県太麻里の海岸で9日、釣りをしていた林奕帆さんが、体長およそ6メートルの深海魚リュウグウノツカイを釣り上げた。専門家は、一般的な体長は3~4メートルほどで、「釣り上げることができたのは珍しい」と驚いている。


林さんによると、擬似餌を使って釣りをしていた際、突然大きな「引き」があり、約40分間の格闘の末、ようやく釣り上げた。当初は普通の大きな魚かと思ったが、まさかのリュウグウノツカイで、周囲にいた釣り人も集まってきたという。重さはおよそ130キロ。写真撮影の後、その場でさばいて持ち帰った。

行政院(内閣)農業委員会水産試験所東部海洋生物研究センターの何源興主任は中央社の取材に、通常は深海に生息しており、病気などになったときに海岸へ打ち上げられ、釣り人が釣ることはめったにないと指摘。台東で30年暮らしているとしながらも、釣り上げられたのは初めて聞いたと語った。


また、病気になったリュウグウノツカイは餌を食べないため、今回の個体は健康なものと推測。「雨が続いて海水が濁り、餌を誤食したのではないか」との見方を示した。

台湾魚類データベースによれば、リュウグウノツカイはオキアミや小型の魚、イカなどを食べるという。繁殖期や幼魚期には水深の浅い所に現れ、時々近海や沿岸にも出現するものの、生態はよく分かっていない。地震が起きた後に漁師などが発見することがあり、「地震魚」とも呼ばれる。

(盧太城/編集:齊藤啓介)