(台北中央社)台湾を訪問中の自民党の萩生田光一政調会長は11日、台北市内で開かれた台日関係強化に向けたフォーラムで講演した。「力の行使による一方的な現状変更は決してあってはならない」と訴え、台湾海峡の平和と安定の維持は「自由で開かれたインド太平洋における最大の試金石」になると指摘。
地域の安全のため、台湾や米国との連携に向け注力していく姿勢を見せた。

萩生田氏は、震災や新型コロナウイルス禍で日本と台湾が支え合ってきたことに言及。日台間で培われた友情を「次の50年、100年に向かって一層力強く発展させていく」とし、パートナーシップを「新たな次元へと押し上げていく」と語った。

経済面での連携については、半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)の新工場建設が熊本県で進んでいることなどに触れ、半導体を含めた先端技術全般において日台間の連携をさらに深化させていくことに期待を寄せた。経済政策と安全保障政策は一体不可分だとし、自由貿易を推進していく方針を示した上で、台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を支持すると述べた。

また、ロシアによるウクライナ侵攻について「アジアにおいても決して対岸の火事ではない」と言明。
今年8月、中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を実施し、発射した弾道ミサイルのうち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことに言及し、安倍晋三元首相が唱えた「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事である」という言葉の正しさを「中国自身がその行動によって証明した」とした。

台日間だけでなく、米国との連携も必要だとの考えを示した。安倍氏が掲げた自由で開かれたインド太平洋を「50年、100年先の子孫にまで引き継いでいくために日本と米国、台湾はこれからも堅く手を携えていく」とし、日本がリーダーシップをを発揮していくと語った。

(游凱翔/編集:楊千慧)