(台北中央社)中国で活躍する複数の台湾芸能人が相次いで自身の政治的立場を表明している。24日には中国北京でコンサートを開いた台湾の人気バンド「メイデイ」(五月天)のボーカル、アシン(阿信)さんが「われわれ中国人」と語り、インターネット上で大きな波紋が広がっている。


アシンさんは「われわれ中国人は、北京に来たら必ず北京ダックを食べる」と発言。動画がインターネット上に投稿されると、大きな反響が寄せられた。

また歌手のジョリン・ツァイ(蔡依林)さんも同日、中国江西省南昌で開いたコンサートで「わたしたちの中国南昌が最も情熱的」と語った他、同じく歌手のシン(信)さんも中国のSNS、微博(ウェイボー)に「前からわたしは統一を支持している」と投稿した。一方で、政治的立場を示していないとされる台湾芸能人の名前が書かれたリストもSNSで拡散されている。

相次ぐ政治的立場の表明に、メイデイが過去に複数回コンサートを開いた南部・高雄市の陳其邁(ちんきまい)市長(与党・民進党)は25日、中国に対し、政治的圧力で芸能人に政治的立場の表明を強要するのをやめるよう呼びかけた。

また最大野党、国民党の李彦秀立法委員(国会議員)は、政治的立場の表明を迫られることは、両岸(台湾と中国)間の善意の積み重ねに資さないと苦言を呈した。
野党第2党の民衆党も、音楽や文化の自由な空間に圧力を与える行為を非難するとする声明を発表した。

(林巧璉、劉冠廷、郭建伸/編集:齊藤啓介)