(台北、台中中央社)中部・台中市で8日開幕する野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドを巡り、与党・民進党の張廖万堅立法委員(国会議員)は7日の立法院院会(国会本会議)で、放映権を取得した台湾のELTA TV(愛爾達)が制作したチラシが、「台湾」の文字と中華民国国旗が印刷されているのを理由に場内での配布を主催者側に禁止されたと明らかにした。大会運営者はこれに対し、チラシの配布が禁じられたのは国旗とは無関係で、主催者側の同意を得ていないからだと説明。
国旗の持ち込みは「もちろん可能」だとした。

潘文忠(はんぶんちゅう)教育部長(教育相)は、WBCは五輪モデルに従って開催され、五輪モデルの適用対象になるのは大会の公式資料やハンドブック、放送といったオフィシャルな項目だと説明。教育部(教育省)として、すでに主催者や運営者に対し、台湾の観客は台湾を応援するため、国旗やチラシを持って入場すると伝えたと明かした上で、台湾の観客が国旗やチラシを会場に持ち込むことを全力で支持すると述べた。。

台中で行われる1次ラウンド・プールAの実施を請け負うスポーツマーケティング会社「悍創運動行銷」(ブロス・スポーツ・マーケティング)は、国旗の持ち込みを禁じる規定はないとし、試合時の持ち込みは「もちろん可能」だとした。一方で、ELTA TVが購入したのは放映権であり、場内でチラシを配布する権利は有していないと指摘した。
消息筋によれば、ELTA TVは番組表への国旗の印刷の可否をWBC主催者の一つである米大リーグ機構(MLB)と交渉したものの、否決されたという。

ELTA TVは、関連の詳細については公表を控えるとコメントした。

1次ラウンドは8日から13日まで台中インターコンチネンタル野球場で開かれる。

(郭建伸、楊啓芳/編集:名切千絵)