(東京中央社)台北駐日経済文化代表処の謝長廷(しゃちょうてい)代表(大使に相当)は10日、早稲田大(東京都新宿区)で講演した。台湾の平和を維持するための要素として、台湾の国防力と抑止力に加え、国際社会の団結力を挙げた。


謝氏は、台湾と縁がある早稲田大の卒業生を中心に創設された「日台稲門会」の招きで講演。台湾と日本が震災時や新型コロナウイルス下で助け合ってきたことに触れ、台日間で結ばれた「善の循環」は友情の最高の形だとし、世界平和の最高の形でもあり、世界の模範にもなっていると話した。

また、台湾の平和を維持できるかは、2つの要素によって決まるとし、1つ目は台湾の国防力と抑止力だと指摘。これは台湾の責任であり、台湾が力を注いでいる重点でもあると説明し、米国から武器を調達したり、兵役期間の延長を決めたりするなどして自国の防衛への意志を示していると述べた。

2つ目として国際社会の団結力を掲げた。台湾のために戦うことを他国に求めないとした上で、国際社会が現状変更に反対し、制裁の意向を表明すれば抑止力となり、平和の維持に寄与するとの考えを示した。


台湾と日本は平和における共同体だとし、「台湾有事は日本有事で世界有事」だと言及。台湾はインド太平洋地域の一員として日米など理念の近い民主主義国家と連携していくと語った。

(楊明珠/編集:楊千慧)