(台北中央社)中国から亡命した作家の袁紅氷氏は今年2月、中国の内部情報として、習近平国家主席が最大野党・国民党を利用して統一戦線の目的達成を狙っていると独立系メディアで語り、物議を醸した。袁氏は24日、中央社の取材に応じ、情報源が「習氏の力では揺り動かせない中国共産党高級幹部の子弟(紅二代)」であることを明らかにした。


袁氏は2月、米ニューヨークに本部を置く独立系メディア「看中国」の取材を受け、中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)が1月27日に習氏と中国の統一戦線組織、人民政治協商会議の王滬寧主席に対し、「台湾立法院の制高点を占拠する統一戦線戦略指示」と題した文書を提出したとの情報を明らかにした。文書には、習氏が立法院(国会)で第1党となった国民党の勢力を利用して統一戦線の目的達成を図る内容が記されていたという。

袁氏は、中国共産党には国民党を人民解放軍の先頭部隊に仕立て上げ、習氏が台湾を完全に占領できるようにするとのもくろみがあると分析。中国軍が23日から実施した軍事演習は中国共産党の台湾での代理人にエールを送るのが狙いだとの見方を示した。

袁氏がかつて著書の中で、与党・民進党の派閥、新潮流のメンバーが中国共産党から買収されていると伝えたことについて袁氏は、民進党の一部の党員は中国共産党に買収されているとみられるとしつつ、民進党と新潮流の全体は買収を拒んでいるとした。一方で、国民党内の重要人物の大部分は親中派だとの見解を述べた。


(謝怡璇/編集:名切千絵)