(ロサンゼルス中央社)米サンフランシスコで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に台湾の特使として出席した半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(ちょうちゅうぼう)氏は現地時間17日午前、岸田文雄首相と会談した。台湾側の関係者によると、台日双方は引き続き関係を強化することなどで一致したという。


日本の外務省によると、会談は約25分間行われた。岸田首相は台湾について、基本的価値を共有し、緊密な経済関係、人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人だとし、経済や民間交流を中心に幅広い分野で日台間の協力と交流を深めたいと語った。また台湾海峡の平和と安定、両岸(台湾と中国)問題の平和的解決の重要性に言及した。

張氏は台日関係のさらなる強化に期待を示した。

張氏はこの日午後の会見で、バイデン米大統領と多くの接触があったと明らかにしたものの「正式な会談はなかった」と説明。その一方で複数の米政府関係者と深く話し合ったとし、地域の平和と繁栄の促進を呼びかけた他、台湾がサプライチェーン(供給網)の強靭(きょうじん)化を望んでいることなどを伝えたと語った・

今回で7回目となったAPEC首脳会議への出席について張氏は、今回多くのリーダーや関係者に会ったとし「顔を合わせた人は以前よりも多かった」と成果を強調した。
中国の習近平国家主席との接触はなかった。

(曽智怡、張欣瑜/編集:齊藤啓介)