(台北中央社)台湾から英国ウェールズのウェルシュプール・スランフェア鉄道(W&LLR)に貸し出された阿里山林業鉄路(林鉄)のディーゼル機関車が4日、正式に現地での運行を始めた。林鉄が所属する農業部(農業省)林業・自然保育署が6日発表した報道資料によると、前面には中華民国国旗が掲げられたという。
林華慶署長は、台湾の生態系や文化を伝える観光大使になってほしいと期待を寄せている。

この日運行を始めたのは日本製ディーゼル機関車「DL-34」。林鉄とW&LLRは2017年に姉妹鉄道となり、22年にはDL-34を3年間W&LLRで運行する契約に調印していた。

林署長によると、DL-34は連結器やブレーキシステムがW&LLRの既存車両と異なっていたため、英国側のボランティアや林鉄職員が距離や言葉の壁を越え、部品構成図の作成や技術面での話し合いを行った他、林鉄側が部品や操作などを説明する動画を制作し、車両の調整を支援したという。

林署長は、林鉄は世界の人々に台湾を知ってもらう「最良の名刺」だと強調。台風被害で一部不通が続いていた林鉄は今年7月に全線復旧を果たすとした上で、W&LLRの職員や世界遺産級の鉄道に関心を寄せる英国の人々の来訪を呼びかけ、より深い互恵的な交流が行われ、さらに多くの人々に林鉄の貴重な価値を知ってもらうことに期待するとした。


(張雄風/編集:齊藤啓介)