同分署によれば男は2019年から中国が派遣した福建省の男の指示を受けていわゆる「地下銀行」を開設。インターネット広告を利用し、緊急で金銭を必要とする現役軍人と接触して金を貸していた。賭博でできた借金の肩代わりや報奨金の支給といった手段で、軍人に機密情報を提供するよう持ち掛けた。
男は逃走中で、指名手配が出されている。下士官3人と男の妹が、国家安全法や国家機密保護法、資金洗浄防止法、腐敗防止(貪汚治罪)条例などに違反した疑いで起訴された。
同分署は、このところ中国共産党による台湾への浸透工作や機密情報の窃取が続き、国家の安全保障上の脅威が増しているとした上で、法務部(法務省)や国防部(国防省)の関係機関と合同チームを組織して捜査を行っていると説明。スパイが浸透するのを防ぐことで、国の長期的な安全を確保するとともに、国民の生命の安全を守るとした。
(張已亷/編集:田中宏樹)