爆発は13日午前11時半ごろに発生した。百貨店前の広場や道路は吹き飛んだガラスや外壁の一部などで覆い尽くされた。
市消防局によれば、爆発は12階で発生。11、12階は改装工事中で、工事作業員によると、12階では切断や運搬作業が行われていたという。死者のうち2人は新光三越の従業員で、11~12階で見つかった。残る2人はマカオ籍の夫婦。この夫婦は観光のために一家7人で訪台しており、1階から店外に出た際に被害に遭った。
消防局によると、現時点での調査では現場には燃えやすい物はなく、粉じん爆発も発生していない。現場には都市ガスが引かれていたが、ガス事業者は工事に合わせ、10日にメーターを撤去し、ガス管を封じる作業を完了させたとしている。現場の工事作業員は検察に「ガスの臭いがした」と話していることから、消防は、ガス燃料に引火して爆発が発生したとの見方を示している。だが、現場には高圧ガス容器(ボンベ)などはなく、ボンベではこれほどの大きな爆発は起こらないとし、発火源やガス管内に残っていた都市ガスに引火した可能性について調査を進めるとした。
盧秀燕(ろしゅうえん)台中市長は13日、爆発について会議を開き、安全性が確認できるまで同店を営業停止にすると発表した。
市は、事故に関係する業者に消防法違反や建築法違反などで過料を科すとし、過料の総額は概算で120万台湾元(約560万円)になるとの見通しを示している。
新光三越の呉昕陽総経理(社長)ら幹部は13日午後、現場を視察した後、市内の病院を訪れて負傷者を見舞った。呉氏は、負うべき責任は必ず負うと報道陣に述べた。
警察は13日夜、工事作業員や百貨店従業員ら20人を参考人として呼び出し、話を聞いた。このうち12人は続けて地検でも事情を聴取された。
14日午前6時現在、負傷者のうち14人が入院中で、このうち6人は集中治療室で治療を受けている。
(沈佩瑤、蘇木春、郝雪卿/編集:名切千絵)