(台北中央社)行政院(内閣)貿易交渉オフィス(経貿談判弁公室)の楊珍妮(ようちんじ)交渉代表が15日、韓国・済州で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合で、米通商代表部(USTR)のグリア代表と会談した。鄭麗君(ていれいくん)行政院副院長(副首相)が16日、メディア懇親会で明らかにした。
楊氏はグリア氏に対し、今後の台米の経済連携への期待を改めて共有したという。

トランプ米政権の相互関税発表後、政府は4月11日に米国とリモート方式で協議した他、同月末にはワシントンで2日間にわたって交渉を行った。鄭氏は、交渉では双方ともに為替の問題には言及しなかったものの、産地偽装や輸出規制、投資審査など経済安全保障の重要性を確認したと強調した。

また、米国が通商拡大法232条に基づいて半導体や医薬品などを対象に、国家安全保障に及ぼす影響を判断するための調査を開始したのを受け、台湾は7日に意見書を提出したと説明。米国が関連産業に追加関税を課せば、産業が米国に投資する能力は後退し、サプライチェーン(供給網)を断絶させるリスクが増すと米国に伝えたと明かした。

(頼于榛/編集:名切千絵)
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