団体のボランティア、賢一さんは中央社の取材に応じ、上映会開催は、立法委員24人に対するリコールの賛否を問う投票が実施される26日に多くの台湾人に帰国して投票してもらいたいためだと説明。250席分のチケットは、受け付け開始から1時間以内に定員に達したと話した。
同じくボランティアのミカさんは、団体のメンバーの多くは台湾の戒厳令解除(1987年)以降に生まれた若い世代で、多くの人はそれ以前の歴史をはっきりと理解しておらず、これまで市民運動にも参加したことがないと明かした。今回立ち上がった理由は「譲れない一線に踏み込まれた」と感じたからだとし、上映会などを通じて多くの海外の若い人々に台湾の現状を知ってもらえればと期待を寄せた。
上映会に協力した在日台湾婦女会の武田佳蓉子会長はリコール運動について、一部の台湾人は単純に政治的対立や権力闘争の手段だと考えていると指摘した上で、実際は自由主義と全体主義の戦いだとの見解を示した。リコール運動に台湾の未来が懸かっているとし、台湾人が帰国して投票するよう望んでいると述べた。
上映後のイベントでは、会場とホープ監督がリモートで繋がった。ホープ監督は、映画が40以上の国や映画祭で上映され、見た人全てが深く感動し、台湾人から大きな刺激を受けていると言及。非常に意義深いことであり、台湾が孤独ではないことを示していると語った。
最後には与党・民進党の沈伯洋立法委員(国会議員)もリモートで登場。リコール賛成派と反対派が現時点では「五分五分」であり、帰国しての投票がとても重要だと訴えた。リコール運動が失敗すれば、特に国防や安全保障などの分野で、国際社会に極めて誤ったメッセージを発信することになると強調した。
多くの観客が、投票で帰国するための航空券をすでに予約したと話していた。上映会は11日に東京で2回目が行われる他、13日には大阪でも開かれる。台湾では6月に公開された。
(戴雅真、楊明珠/編集:田中宏樹)