台風4号は6日夜に嘉義県に上陸。台湾西部地域を縦断し、7日朝に台湾海峡に抜けた。台電によると、台風の影響で全国で電柱2500本超、送電塔3基が倒れ、電力被害のほとんどが嘉義県、嘉義市、台南市に集中した。停電戸数は嘉義県、嘉義市で計25万戸、台南市で19万戸に上った。14日午後4時現在、嘉義県で2326戸、台南市で2058戸が依然として停電している。
嘉義県水上郷のドリンク店は11日から、台電の作業員に無料でドリンクを提供するサービスを開始した。ドリンク店によると、店が省道沿いに位置していることもあり、毎日多くの作業車が被災地に向かうのを目にしていたという。作業員の中には桃園や東部・花蓮など遠方から派遣された人もおり、作業員が昼夜を問わずに作業に当たる姿に感動し、行動で支援しようと決めたと明かした。無料配布したドリンクは毎日数百杯にも上る。サービスは15日まで続ける。
ファストフードチェーン、マクドナルドもセットメニュー100食近くを台電嘉義対策センターに差し入れた。
来店客が台電作業員の飲食代を代わりに支払う出来事があったのは、台南市学甲区の牛肉麺店。
店の責任者が一連のやり取りをフェイスブックに投稿したことで明らかになった。
当事者の一人である台電新営区営業処職員によると、別の客が飲食代を置いていったと店側から聞き、温かい気持ちになったものの、辞退しようと考え、お金を手に男性の後を追った。だが男性はすでに車に乗り込んでおり、こちらに手を振ってから店を後にしたという。
この職員は、この数日、ドリンクや軽食の差し入れは度々あったものの、飲食代を支払われたことはなかったと明かす。男性の身元や連絡先が分からないことから、好意をありがたく受け取り、作業員を代表して感謝したいと話した。
(蔡智明、黄国芳、楊思瑞/編集:名切千絵)