(台北中央社)8月下旬にイタリアで開幕する第82回ベネチア国際映画祭の参加作が17日に発表され、台湾のジョー・シエ(謝文明)監督の短編アニメーション「螳螂」(PRAYING MANTIS)が斬新な短編作品を集めた「オリゾンティ短編部門」に選ばれた。台湾の作品が同部門に選出されるのは初めて。
シエ監督は中央社の取材に対し「新作を引っ提げてこの映画の殿堂に来られるのは光栄」と喜びを語った。

オリゾンティ短編部門には世界19の国・地域から寄せられた14作品が入選した。いずれも世界初上映となる。

「螳螂」は毎晩バーで男性を誘惑し、殺害した後に遺体を巣穴に持ち帰って子供に食べさせる―という妖艶な女性を主人公にしたホラー作品。作品の舞台は台湾の古い街並みと1980年代の飲み屋文化を融合させた。「螳螂」とは中国語で「カマキリ」を指す。

俳優のチェン・シューファン(陳淑芳)、バンブー・チェン(陳竹昇)、ベラ・チェン(陳雪甄)が声を担当した。全編台湾語で、独特なスタイルの作品に仕上がっている。

シエ監督によれば、完成までには4年を費やした。台湾のアニメーターやスタッフ計40人が制作に参加し、全カットが鉛筆デッサンのような、緻密な映像を作り上げたという。

ベネチア国際映画祭は8月27日から9月6日まで開催される。

(邱祖胤/編集:名切千絵)
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