音声ファイルは有志が運営するフェイスブックページ「Taiwan ADIZ」に投稿された。ファイルには中国軍のパイロットとみられる人物が放った「何様か」との言葉に対し、空軍のパイロットとみられる人物が「立ち上がってから言え。一生ひざまずいて共産党の奴隷になるのか」「自由とは何か知っているか。かわいそうに」などと声を荒げて反発する内容が収められている。
空軍司令部は音声ファイルについて、調査の結果、事実とは異なると説明。空軍は中国軍機の干渉に対し、規定に基づいて無線での警告を実施しているとし、飛行の規律厳守と空の安全の確保を求めているとした。
軍当局者は中央社に対し、退去警告を担当するのは少校(少佐)、上尉(大尉)または士官のクラスだとし、上からの許可を得ずに口論を行うことはあり得ず、口論を行うとの指示が出ることもないと説明。音声ファイルがねつ造ではないとすれば、民間機と中国軍機の対話記録だろうと指摘した。
その上で、空軍パイロットは厳しい訓練を積んだ規律正しい個体だとし、軽率に挑発を受けてののしり合いをすることはないと強調。パイロットが皆、空中でののしり合いをするようであれば、偶発的に争いの引き金を引き、想像し得ない結果をもたらすことになりかねないとし、非常に危険な行為であり、空軍はこれらの行為を厳格に禁じていると説明した。
(游凱翔/編集:名切千絵)