(台北中央社)台湾の小説家、張国立さんと日本の文芸評論家、杉江松恋さんによるトークイベントが21日、東京都内の書店で行われた。張さんは謀略スリラー小説「炒飯狙撃手」の著者。
台湾人がよく使う「ご飯食べた?」のあいさつに言及し、台湾人の特質との関連性を紹介した。

文化部(文化省)が22日、報道資料で明らかにした。イベントは台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)台湾文化センターと紀伊国屋書店が共同で企画。2人は「炒飯とスコープの先にあるもの」をテーマに対談した。

サスペンスやスパイとは一見相容れない食べ物の要素を作品に盛り込んだ理由を聞かれると、張さんは、人に会ったら「ご飯食べた?」とあいさつする台湾人の習慣を取り上げ、台湾人の「食いしん坊」的な気質を反映していると紹介。このような性質を通じて主人公の性格を表現したかったと説明した。

一番好きな料理を尋ねられると、「炒飯」と即答し、会場は笑い声に包まれた。小説は単に物語を語るだけではなく、作者の信念を示すプロセスでもあると強調した張さん。自分にとってはこの信念とは「食べること」だと明かした。作品執筆に当たって調理師免許を取得したエピソードも紹介した。

「炒飯狙撃手」は炒飯の名手でもある一流のスナイパーと定年退職間近の刑事の活躍を描いたシリーズ小説。すでに複数言語の翻訳出版権が売れており、日本語版は昨年3月に第1弾、今年3月には第2弾が刊行された。


(邱祖胤/編集:荘麗玲)
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