嵐の中で出産し、びしょぬれになりながら子猫たちを大雨から守り抜いた母猫(アメリカ)


 5月の第2週目のこと。アメリカ・ノースカロライナ州、ジェームズタウンのある住人は、自宅の敷地内を猫が彷徨っていることに気づいた。
住人は近隣の人々に聞いてみたが、誰もその猫を知らず、結局、どの家の飼い猫でもないようだった。

 そして「母の日」の前日に当たるその週の土曜日、猫は出産の時を迎えた。

 しかし、いくら「母の日」であったとはいえ、自分で選べるものならば、母猫はその日を出産には選ばなかっただろう。その日、ジェームズタウンを含む一帯では、雷を伴った嵐が吹き荒れていたのだ。
【猫を保護したいけど、みんな手一杯】

 猫に気がついた住人は、「スパークル・キャット・レスキュー」という保護団体に連絡し、援助を求めた。

 レスキューとしても、すぐにでも駆けつけたいところではあった。だが、この猫の母子を保護するためには解決しておかなければならない問題があったのだ。

 猫に限らず、動物を保護するということは、その後の世話も保証するということである。この団体は自前の施設を持たない。そして、その時はたまたま、どの預かりボランティアさんも、キャパシティ一杯まで猫を預かっていたのである。

 だが、猫の母子が運に見放されたわけではなかった。預かりボランティアのサラさんの友人であるクリスティさんの一家が、母子を預かろうと名乗り出てくれたのである。


 サラさんをはじめとするレスキュー隊は、さっそく猫の保護に向かった。

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【隠されていた子猫たちを発見】

 雨は激しさを増しており、猫の母子の無事が案じられた。しかし、件の家に到着したはいいが、猫の姿が見当たらない。

 しばしの後、母猫はどこからともなく姿を現した。が、捕食動物などのさまざまな危険や、そしてもちろんこの天候から守るため、母猫は子猫をどこかに隠してしまっていたのだった。

 レスキュー隊は捜索を焦った。生まれたばかりの子猫たちが、容赦なく体温を奪っていくこの雨に耐えられるのか?時間との戦いである。

 と、捜索を手伝っていた住人が、子猫の鳴き声を聞きつけたのだ。

 鳴き声は、家のすぐ脇にある茂みの中から聞こえてきた。レスキュー隊が急いで茂みをかき分けると、その根元に、子猫が4匹うずくまっていたのである。

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【母猫に守られていた子猫たち】

 母猫は骨の髄までびっしょり雨に濡れていたが、子猫たちの状態はそこまでひどいものではなかった。母猫が、集めた子猫を自分のお腹の下に入れ、雨から守っていたのだ。


 猫の一家は、5匹揃って、無事に車に運び入れられた。

 車でクリスティさん宅へ向かう途中も、母猫は子猫たちにピッタリと寄り添い、子猫たちをきれいに舐め、あたためていた。

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 そして、猫の母子は、クリスティさん宅の暖かく乾いた部屋におかれた心地よいベッドで、母の日を過ごすことができたのだった。

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 「猫たちがいた家の方が、(鳴き声に)気がついて正しい方向を指してくださったのは、私たちにとって、とても幸運なことでした。また、こんなに短い間に、猫たちを預かる決意を固めてくれたクリスティにも、とても感謝しています」とサラさん。

 また、サラさんは、「子どもを一人育てるには村中の力が必要だ」というアフリカの諺をもじって、こうも書いている。

 「(猫を)保護し、育てるには、村中の力が必要なんです」

References: Love Meow など / written by K.Y.K. / edited by parumo

記事全文はこちら:嵐の中で出産し、びしょぬれになりながら子猫たちを大雨から守り抜いた母猫(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52274444.html
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