メキシコのアパート近くの埋め立て地から、行方不明者のものとみられる2千以上のバラバラになった人骨が発見される

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 8月24日、メキシコで失踪者を捜索する団体メンバーらは、北西部にある高級アパート近くの埋め立て地に、大量の人骨を発見した。

 そこには、2000以上の手や足の骨がバラバラの状態で遺棄されてあり、専門家によると子供の骨も含まれているという。
それらの骨は、少なくとも行方不明になっている150人以上の遺骨ではないかと推測されている。

 メキシコでは、過去20年にわたり約6万人が失踪しており、行方不明者の家族らが団体に参加して捜索を続けている。
【高級物件エリアの埋め立て地に2000以上の人骨発見】

 8月24日、メキシコ北西部シナロア州クリアカンの高級物件エリア近くにある埋め立て地で、行方不明者150人以上のものとみられるバラバラになった人骨が、2000以上も遺棄されているのが発見された。

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 地元メディア『El Universal』が伝えたところによると、埋め立て地に遺棄されてあったのは、何百という手や足の骨だったという。法医学専門家は、骨片の一部は子供のものと報告している。

 人骨を発見したのは、失踪者捜索国家団体「State Brigade for the Search of Disappeared Persons」のボランティアメンバーたちだ。


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 今回の捜索に参加した母親のひとりは、これらの大人や子供たちは何らかの拷問を受け、指や手足を切断されたのではと推測しているが、拷問や殺人の責任が誰にあるのかは一切わかっておらず、他の遺骨がどこにあるのかも現時点では定かではない。

 骨がいっぱいに詰まった複数の袋は、車でアクセスできるエリアからさほど遠くない経路に遺棄されており、動物が引き裂いて漁った跡があった他、時間の経過とともに日光に晒されたり水が蓄積したりしているものもあったとのことだ。

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【過去に、麻薬カルテル間での権力争いがあった地域】

 骨が発見された周辺には、贅沢な“ミニ・シティ”として知られる私有地の複合施設「ラ・プリマベーラ」があり、その高級アパートには多くのビジネスマンや政治家が暮らしている。

 しかし過去に、このエリアは麻薬カルテル間での権力争いがあり、暴力によって荒廃した場所でもあった。

 8月末には、2人の女性を含む3人の行方不明者の遺体が捜索グループによって発見された。女性の遺体頭部には銃で撃たれた痕があったようだ。


 また別の捜索隊は、リゾート地として有名なシナロア州マサトランのビーチの窪みに、2体の遺体を発見した。

 今回大量に発見された人骨に関しては、いつ、誰が、なぜ、埋め立て地に遺棄したのかは全くわかっておらず、専門家もこれほどの人骨が一度に発見されたことに驚きを隠せない。

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 埋め立て地の近くには、これまでにも遺体が複数見つかっていることもあり、死者を追悼するために、上着がかけられた十字架が掲げられてあるという。

 その地域では十字架に上着をかけるのは一般的な習慣であり、死者にアイデンティティを与えるという意味があるそうだ。

【過去20年間で行方不明者は約6万人にも】

 メキシコでは過去20年の間に57861人が姿を消しており、2016年に設立されたこの捜索団体では、行方不明になった家族のメンバーを捜索したいと志願した身内たちも参加し、数万人の行方不明者たちを捜し続けている。

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 今月初めだけでも、メンバーは埋め立て地で10の遺体と行方不明者のものとみられる数千の骨が入った袋を発見しているが、犠牲者の家族のためにも早急な法医学検査を含むミステリーの真相解明が求められるところだろう。


References:EL Universalなど / written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:メキシコのアパート近くの埋め立て地から、行方不明者のものとみられる2千以上のバラバラになった人骨が発見される http://karapaia.com/archives/52282204.html