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東ヨーロッパのバルカン半島北西部に位置する共和制国家ボスニア・ヘルツェゴビナ北部にある川の中から、700年前のものとされる剣が岩に刺さった状態で発見された。
剣といえば、2017年にイギリスのコーンウォール州の湖の中から、120cmほどの剣が発見され、その場所が伝説のアーサー王ゆかりの地だったことから、当時その剣が「エクスカリバーでは」と話題になった。
そして今回も、英メディアでは再びアーサー王伝説を持ち出し、「リアル聖剣エクスカリバーが発見されたのでは」と報じている。
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Medieval Sword Discovered in Bosnian River
【約10mの川底にある岩に刺さった状態で発見された剣】
ボスニア・ヘルツェゴビナ北部の、ラコヴィツェ村近くを流れるヴルバス川の水底から、およそ700年前の14世紀のものと推定される剣が発見された。
Naš mač u kamenu ... izvadjen iz Vrbasa poslije ko zna koliko vijekova pic.twitter.com/fY0zGsgXnb
— Igor Radojicic (@RadojicicIgorMr) October 17, 2019
水深10mの岩に突き刺さった状態で発見された剣を引き抜いたのは、アーサー王ではなくスルプスカ共和国博物館の学芸員で考古学者のイヴァナ・パンジッチ氏率いるチームだった。
当時パンジッチ氏ら考古学チームは、ズベカイ市にある中世の城跡近くで発掘調査を行っており、偶然水中で固体岩に埋め込まれた剣を発見した。
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この一件を報じた英メディアによると、過去90年の間にバルカン半島でこのような剣が発見されたことはなく、今回が初めてという。
【剣が発見された場所は元貴族の本拠地】
ズベカイ市の中世の城は1777年に破壊されたが、その昔この辺りには地元の村を支配していた中世の貴族の本拠地があったそうだ。
剣の分析結果からして、恐らくその時代の貴族たちが使っていたものではないかとみられているが、英メディアではこの700年ほど前の武器をアーサー王の伝説的な魔法の剣と比較して報じている。
アーサー王伝説を題材にした物語では、岩に刺さった魔法の剣「エクスカリバー」は、選ばれし者しか引き抜くことができないことで有名だ。
しかしながら、今回は選ばれし者でなくともそれが可能であったようだ。
ただし、パンジッチ氏は
剣は硬い岩に埋め込まれた状態で刺さっていたため、取り出すには細心の注意が必要だった。
と述べている。
Banjalučki mač iz kamena. Star mozda i osam vijekova, izvadjen iz Vrbasa, ko zna kakve price skriva ... pic.twitter.com/DKY6dBAJBq
— Igor Radojicic (@RadojicicIgorMr) October 24, 2019
彼ら考古学チームは、今回発見された剣がなぜ岩に刺さっていたのかという理由については、今後調査を進めていくと話している。
なお、イタリアのトスカーナにあるモンテシエピ礼拝堂には、本物のエクスカリバーといわれている剣が、岩に刺さった状態のまま展示されているということだ。
References:Fox / The Sunなど / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:聖剣エクスカリバーか?約700年前の剣が川底の岩に刺さった状態で発見される(ボスニア) http://karapaia.com/archives/52284215.html