これがフランス軍の仙豆ってやつか?作戦部隊が元気をチャージできるエナジーボール(フランス)

MOS Nutrition
 フランス軍はレーション(携帯用の食糧)が美味しいことで有名だ。

 それでも作戦中は、その過酷さゆえにカロリー不足で兵士の体重は減りがちだ。
フランス軍はレーションの他にもスナック(お菓子)の類を支給しているのだが、どうも兵士には不評なようで、彼らは個人的にチョコバーやキャンディなどを購入したりしている。

 だがポケットやらバックパックやらにそんなものを詰め込んだまま数時間にわたる汗だくの作戦を遂行すれば、中身がどうなるかはすぐに想像つくだろう。グシャグシャのバラバラに砕けているか、べっとり溶けてしまっている。

 そこで開発されたのがスーパーフード「MOSエナジーボール」だ。おいしい上に栄養価も高く、いわばフランス軍の仙豆のようなものだ。
【フランス兵士にヒアリング、食事について徹底調査】

 メラニー・ウリオン=シモンさんが設立したスタートアップ「MOSニュートリション」が目指すのは、フランス兵士たちの空腹に応えることだ。


 彼女は大学院の修士課程で、この問題に関心を持ったという。先生の中にフランス海軍で潜水艦の艦長だった人物がおり、彼女の知識をレーションに応用してみては? と勧められたのだそうだ。

 シモンさんは、兵士260名に質問し、作戦中に食べたい食事や嫌な食事について調査。さらに軍の栄養についての科学的な文献を読みながら1年を費やした。

 「科学技術で強化された兵士ならよく話題になりますが、私が話題にしているのは、栄養面で弱体化した兵士です」とシモンさんは話す。

 彼女の試算によれば、兵士は1日に4000キロカロリーを消費している。
NATOが見積もった戦闘兵や特殊部隊の消費エネルギーは6000キロカロリーで、寒い日ならば6000キロカロリーを上回る。

 それなのにフランス軍のレーション1日分には3500キロカロリーしか含まれていない。これでは栄養不足になるはずだ。

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【2粒でおいしく元気をチャージできる】

 不足しがちなカロリーを補助する食品として、ウリオン=シモンさんがお母さんのキッチンで手作りで開発したのが「MOSエナジーボール」だ。

 MOSとは”Military Optimized Superfood(軍用最適化スーパーフード)”の頭文字で、イチジク・ナツメヤシ・アーモンド・クルミを使ったタイプとヘーゼルナッツとダークチョコレートを使ったタイプの2種類がある。

 これらの食材を卓球ボールより少し小さいお団子にして、そこに米粉をまぶす。
1個につき50~65キロカロリーで、これを1度に2つ食べる。

 どちらのフレーバーにもカフェインが添加されており、気持ちをシャキッとさせる効果もあるそうだ。

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MOS Nutrition
【そのお味は?】

 仏軍や米軍の兵士、さらにはアスリートなど、2000名に試してもらったところ、フランス第1海兵歩兵落下傘連隊によってすぐに採用された。

 フランス特殊部隊所属のある兵士は、「こいつはうまい!味の爆発だ! 」とコメントする。

 「ヘーゼルナッツの歯応えも楽しめる。砂糖漬けじゃない、ヘルシーなものを食べてるって感じがするね。
食べやすいし、長くてキツい静的運動の最中なんかでは元気が出るよ!」(マット下士官)

 なお、すでに8種類のフレーバーが考案され、現在は塩味のタイプや食べられる包装紙も開発中だそうだ。さらに賞味期限を現在の1ヶ月から6ヶ月に改良したいとのことだ。

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MOS NutritionReferences:popsci/ written by hiroching / edited by parumo

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