ポルターガイスト、UMA、幽霊船、UFOなど、カナダで今も語り継がれる10の未解決ミステリー

カナダで語り継がれるミステリー/ Pixabay
 カナダにはどのようなイメージがあるだろうか? 洗練された街並み? 美しい雪景に彩られた大自然? 北極圏ならではオーロラ?

 自然と街が共存し最も住みやすい国の1つと言われているカナダだが、どんな国にも光があり、闇がある。それはカナダであっても例外ではない。


 ここでは、カナダで今も語り継がれている10のミステリーを見ていこう。
【10. カナダ最強の男の謎の死】

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Behind The Titantron | The Murder of Dino Bravo | Episode 14
 ディノ・ブラボーは1980年代にWWFを主戦場として戦った人気プロレスラーだ。怪力自慢のパワーファイターとして活躍し、「カナダ最強の男」の異名をとった。

 しかし、90年代に入ると人気に陰りが見え始め、92年に引退。若手レスラーの指導にあたりたいとのことだった。

 ところがその翌年の3月10日、自宅で遺体となって発見される。
頭と体には計17発が撃ち込まれていた。

 レスラー仲間の噂によると、ブラボーはカナダの犯罪組織と関わりがあり、違法タバコの密輸に携わっていたらしい。殺されたのは、どうも彼のヘマで密輸品が警察に押収されたことが原因だったようだ。彼は自分がいずれ殺されることすら分かっていたという。

 ――ただの噂であって、現在でも未解決事件である。

【9. アンブローズ・スモールの失踪事件】

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image by:Toronto Star archives, Toronto Public Library
 オンタリオ州の企業家アンブローズ・スモールは、19世紀末から20世紀初頭に劇場を経営して財を成した人物だ。


 1919年12月1日、彼は所有していた劇場を170万カナダドルで売却するという、生涯最大の取引を行った。そして、それから24時間後、財産を残したまま姿を消してしまった。

 捜査が開始されたのは、ようやく20年に入ってからのことだ。スモールは女たらしで、目についた歌手やキャバレーの女を連れ、家族にも告げずにしばらく留守にすることがしばしばだった。そのため、妻も弁護士もいつものことだろうとタカを括っていたのだった。

 だがスモールの失踪からまもなく、元秘書まで行方をくらましてしまった。
この男が最後に目撃されたのは、銀行で大量の現金をおろす姿で、あからさまに怪しかった。

 警察の捜査によって男はオレゴン州で発見され、現金はスモールから盗んだものであるとの供述が得られた。しかしながら、彼の失踪とのつながりはなさそうだった。
 
 警察はあらゆる可能性を探り、妻の犯行や、ニューヨークのギャングによる誘拐も疑った。超能力者やシャーロック・ホームズの作者コナン・ドイルに相談するほど、なりふり構わぬ捜査だった。

 だが、今に至ってもスモールの行方はようとして知れないままだ。


【8. オゴポゴ】

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Ogopogo spotted in lake
  ブリティッシュコロンビア州にあるオカナガン湖には怪物が潜んでいるという。それはオゴポゴと呼ばれる水棲UMAで、巨大な蛇のような姿をしている。

 皮膚は黒と緑、背中にはコブがある。ネス湖のネッシーと同じく、目撃証言は数世紀前にまで遡ることができ、先住民のオカナガン族には超自然的な存在として伝承が伝わっている。

 ネッシーに比べれば実在する可能性は高いと考える人たちもいるが、一説によれば、ヨーロッパからの入植者の誤解が伝説の元であるという。

 そもそもオカナガン族は、オゴポゴを物理的な存在ではなく、谷を守る精霊のようなものとみなしていたのだが、入植者がそれを現実にいる生物と勘違いし、やがて伝説につながったというのだ。


【7. シャグハーバーUFO事件】

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Shag Harbour's UFO mystery
 オゴポゴがカナダ版ネッシーなら、シャグハーバーUFO事件はカナダ版ロズウェルだ。

 1967年10月4日、ノバスコシア州にある小さな漁村シャグハーバーで、海にUFOが墜落するという事件が発生。目撃者によれば、空で点滅していた4つのオレンジ色の光が海岸から800メートル離れたところに着水したという。

 飛行機が墜落したのではと騒ぎになり、駆けつけた沿岸警備隊が墜落したとされる地点に近寄ってみたが、UFOはどこにも見当たらなかった。また当時、失踪した飛行機など確認されておらず、後に行われた国防省の調査でも墜落の痕跡は発見されていない。

 現在、シャグハーバーにはUFO博物館が建てられ、毎年UFOフェスティバルまで開催されている。


【6. レッドパス屋敷の謎】

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The Redpath Mansion, Montreal
 20世紀初め、モントリオールにはレッドパスという大富豪が暮らしており、一家が暮らす屋敷はレッドパス屋敷と呼ばれていた。1901年6月13日、ここで惨劇が起こる

 長男ピーターが、自室で血塗れになって倒れている母エイダを発見したのだ。兄弟のクリフォードも息も絶え絶えで、病院へ担ぎ込まれたが結局亡くなった。

 事件の真相は今も謎に包まれている。妙なことに、エイダとクリフォードの遺体は事件から48時間後にさっさと埋葬されてしまった。警察による捜査も2時間で打ち切られている。ついでに遺族は事件について固く口を閉ざした。

 正式な報告書によると、クリフォードはてんかん発作を起こして銃を発砲し、それが母親に命中。彼は罪の意識から自殺を図ったという。

 しかし、記録にはいくつもおかしな点がある。たとえば、クリフォードが運び込まれたとされる病院にはその記録がない。また捜査記録には遺体の検死を行なったとされる医師の証言も添付されているが、地元新聞の調査によって、事件当時、彼は街にいなかったことが分かっている。

【5. ダグのポルターガイスト】

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 オタワ渓谷沿いのクラレンドンという農村で暮らしていたダグ夫妻は、どこにでもいる夫婦だった。1889年9月、そんなごく平凡なはずの彼らの家庭で突然ポルターガイストが発生した。

 彼らの証言によると、家の中でモノが飛び回ったり、誰もいないはずの屋外から窓に向かって石が投げつけられたりしたという。ほかにも突然火がついたり、不気味な声が聞こえたりといった怪現象も発生した。

 どうもポルターガイストが特に関心を示していたのは、11歳の養子ダイナであるようだった。だが、家族以外にも目撃者は多数おり、16人が夫妻の証言を裏付けている

 あるときなどは、ジャーナリストが取材に訪れ、ポルターガイストと神学や哲学について議論を交わしたことすらあったという。この人物の記録によると、ポルターガイストが怒ると、ダイナは物理的な危害が加えられたかのような反応を示したという。

 この恐ろしい現象は3ヶ月後にピタリと止んでしまう。残されたのは怯えた一家と、現在にまで語り継がれる謎である。

【4. 宇宙人と共に旅立ったグレンジャー・テイラーの運命】

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 1980年11月29日、テイラー夫妻は32歳の息子が残したメモを発見した。そこにはこう書かれていた。

母さん、父さん、僕は宇宙人の船に乗ってくる。何度も夢に見たように、42ヶ月ほど宇宙を旅して、戻ってくるよ。

僕のモノは置いて行く。特に使い途もないしね。遺言に説明があるから、参考にしてくれ。愛を込めて、グレンジャーより――

 グレンジャー・テイラーの伝説はこうした始まった。今や、陰謀論者やUFO愛好家お気に入りのトピックだ。

 グレンジャーは学校を中退しているが、機械の才能があったようで、車や飛行機を修理していたという。常に何かをいじっていたらしく、だからこそパラボラアンテナで宇宙船を作っていたときも誰も驚かなかったようだ。

 だが、これはグレンジャーの宇宙人に対する執着がどんどん強くなっていたことを示しているだろう。彼はやがて、いつか宇宙人が自分を迎えに来てくれると考えるようになり、ついには置き手紙を残して、トラックで何処かへと出発した。

 6ヶ月後、テイラーの家からそれほど離れていない場所で、爆発の痕跡が発見された。現場からは粉々になった人骨や、グレンジャーのものとされる衣服が回収された。またトラックにはダイナマイトが積まれていたことも明らかとなっている。

 テイラー夫妻にとっては、息子が自殺したという形で事件は幕を下ろした。しかし、状況証拠では納得しない有象無象がいる。爆発は偽造である、あるいは米政府がエリア51に連れ去ったなど、今も噂が絶えない。あるいは本当に宇宙を旅している――のかもしれない。
 

【3. オーク島の財宝】

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The Mysterious Lost Treasure Of Oak Island Money Pit
 ノバスコシア州の南に浮かぶオーク島には財宝が隠されているという伝説がある。

 それによれば、最初に宝探しを始めたのは、ダニエル・マクギニスという10代の若者だったという。1775年のことだ。

 彼が島を探検しているとき、木が伐採されたあたりの地面に何やら窪みがあるのを発見した。もしや海賊の宝ではと思ったダニエルは、友達を連れてすぐさま掘り始めたが、結局何も出てこなかった。

 どこでこの話を聞きつけたものか、数年後にまた別の男が現れる。この人物は宝探しのために人を集めて、30メートル近くも掘ったと言われている。

 そして、奇妙な碑文が刻まれた石板を発見した。専門家に解読を依頼すると、「12メートル下に200ポンドが埋まっている」と記されていたという(この石板の実物は現存しておらず、レプリカがあるのみだ)。

 こうしてオーク島に財宝が隠されているという噂が広まり、200年経った今もまことしやかに囁かれている。

 財宝は海賊の宝とされているが、インカ帝国の黄金や英国軍がキューバで略奪した品、さらにはシェイクスピアの原稿やテンプル騎士団が埋めた聖杯という説もある。

【2. ノーサンバーランド海峡の幽霊船】

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Burning Ghost Ship of The Northumberland Strait | Maritime Mysteries #2
 ノーサンバーランド海峡では2世紀も前から幽霊船の噂が絶えない。目撃者の話は、マストが3本か4本のスクーナー船で、真っ白な帆が燃え上がっているという点で一致する。

 幽霊船は複数の人間に同時に目撃されたこともある。1900年には、船乗りたちがボートで幽霊船に向かい、そのまま帰ってこなかったという事件もあったらしい。
 
 一説によると、幽霊船は嵐で沈没した船であるという。別の説によれば、木材を積んでアメリカに出航し、そのまま行方不明となった船であるという。

 もう少し科学的な見解として、幽霊船の正体は「セントエルモの火」と呼ばれる気象現象であるという説がある。セントエルモの火は、悪天候時にマストの先端が発光する現象で、尖った物体の先端で静電気がコロナ放電することが原因とされている。

【1. 未解決事件が多発した涙のハイウェイ】

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Searchers: Highway of Tears
 ブリティッシュコロンビア州を走る16号線は、別段変わったところのない普通の道路に見える。しかし、ここに隠されたある悲しい歴史のために「涙のハイウェイ」という別名がある。

 じつは1970年代以降、いく人もの若い女性が行方不明になったり、死体となって発見されたりしているのだ。そして、その多くは未解決のままだ。

 1969年から2006年までに発生した事件は、公式には18件とされているが、地域のグループによれば実際は50件近いという。これほどまでに大勢の犠牲者が出ているにもかかわらず、警察が16号線専門のチームを設置したのは、ようやく2005年になってのことだ。

 犯人は1人とは考えられておらず、少なくとも4人の連続殺人鬼が容疑者として浮かび上がっている。

 だが、仮に彼らの犯行だったとしても、その犠牲者は全体のほんの一部でしかない。ほかにもまだ犯人がいるはずなのだ。そいつらは今日も次のターゲットを探してうろついているのかもしれない。

References:Eerie Mysteries That Still Haunt Canada - Toptenz.net/ written by hiroching / edited by parumo

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