2020年じゃがいも写真コンテスト image credit:Potato Photographer of the Year/Ray Spence
最近、イギリスでちょっぴりユーモラスな写真コンテストが開催された。その名も、「2020年 じゃがいも写真コンテスト」だ。
このコンテストは、フードバンクの慈善団体『Trussell Trust』への資金集め目的で行われたそうだが、多くの応募者がじゃがいもをテーマとした作品を提供し、その中から特に優秀な作品と審査された10選が『The Guardian』など複数のメディアで紹介された。
【2020年じゃがいも写真コンテストが開催】
主催者となったベネディクト・ブレイン氏とマーティン・パー氏を含む審査員は、フードバンクの資金集めのために開催したじゃがいも写真コンテストの作品を厳重に審査。
多くの作品がいずれもユーモア溢れるものとなっているが、特にロックダウン時期と掛け合わせたシニカルな作品も寄せられ、注目を浴びたようだ。
では、審査員や写真家のコメントと共に、優勝作品1位、2位、3位から10作品までを見て行こう。
【優勝作品1位「ロックダウンの終わり」】
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© rayspence
この写真は、ロックダウン中の強迫観念を、見事なユーモアで描いている。発芽したじゃがいもの芽を、ロックダウン中ヘアカットに行くことができない人の髪と見立てた想像力は素晴らしい。ちょぴりバカげていて、笑ってしまうユーモア溢れるこのような作品は、まさに今の私たちが必要としているものだ。
【2位「じゃがいも」】
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© SpudWhite
NASAのロボットによって、不毛の惑星の表面で撮影されたエイリアンの生命体のようだ。
【3位「厳しい市場仕様」】
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© amydagornecraghill
じゃがいもの農学は常に変化している。この作品は、2つの角度からじゃがいもの政治的側面を表現している。先住民の起源と現在の単一企業による農業の支配を巧みに組み合わせ、考え抜いて実行された合成画像だ。
【4.「タイトルなし」】
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© tova
じゃがいもの皮を剥く作業は、家族間で行われるノスタルジックなイギリスの文化だ。この入念な描写は、審査した作品の中でも非常に印象的だった。
空のキッチンで、おそらく窓から差し込んだ限られた光を創造的に使用し、ロックダウン中どこにも行けない人々が淡々とじゃがいもの皮剥きに熱中するという以外にも、閉所恐怖症の側面を効果的に反映している。
【5.「いもナメクジ」】
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© BlueHaiku
全体的に、さつまいもの姿がアザラシのように見えたり、芽がユニコーンの角のようにも見えたりして、シンプルだがユーモラスな作品だ。
【6.「ジャージーポテトを植える」】
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© jintegral9
じゃがいもを収穫する人たちが非常によく配置されている画期的な作品。
【7.「ブルージュのフリッツ」】
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© William Richardson
チップスとマヨネーズを見ると、どれほど安心することか。
【8「大地のりんご」】
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© Jodie Krause
この写真は、りんごの代わりにじゃがいもを持って新たな世界の始まりを告げるアダムとイブの創造に焦点を当てている。
COVID-19以降、人間は接触や親密さなどの多くの誘惑を拒否されてきた。しかし、それはまた世界に「リセット」と更新の機会を提供した。じゃがいもは、世界中で愛されている主食であることから、生活の基本を体現しているといえよう。
【9「“じゃがいもの顔”を食べる」】
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© Justin
ピンホールカメラを使って口の中から撮影した作品
【10「2030年」】
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© amydagornecraghill
気候変動と食糧不足により、2030年には英国政府がすべての市民に裏庭で食料の栽培を開始するように働きかけるようになる。パニックになった市民らは頭にザルを被り、5Gの不安定な恐怖から身を守るため、コンクリートで裏打ちされた裏庭にジャガイモを植えようとすることだろう。
そうすることが、唯一の生存のチャンスかもしれないことを想像させるユーモア溢れた作品。写真家がこの作品を撮影するために費やした努力には感心する。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:迷作揃い。2020年じゃがいも写真コンテスト、優秀作品が発表(イギリス) http://karapaia.com/archives/52293390.html